2024年 F1 第22戦 ラスベガスGP 開催概要

 

ホンダF1撤退について思うこと

 

2020年10月2日、ホンダは17時からオンラインで緊急の記者会見を開き、八郷社長からホンダの第4期F1活動を2021年シーズン終了をもって終了することが発表されました。

ホンダは2008年シーズン終了後に第3期F1活動から撤退していましたが、2015年に現行のパワーユニットサプライヤーとしてマクラーレンと組み第4期のF1活動をスタートしました。

しかしながら、期待されていたような成果は残せず、2017年シーズン終了後にマクラーレンへのパワーユニット供給を終了、2018年からトロロッソ、2019年からレッドブルへパワーユニットの供給を開始しました。

2019年にはオーストリアGPでレッドブルのマックス・フェルスタッペン選手が優勝し、第4期F1活動としての初勝利を飾りました。その後、5度の優勝をして、まさにタイトルにむけてこれからという段階で今回のF1撤退の発表に至りました。

 

 

F1活動終了の理由は2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて技術者のリソースを集中した取り組んでいくというものでした。カーボンニュートラルに対しての目標は急遽決定したわけではないと考えるのが妥当だと思います。記者会見では新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響は否定していましたが、少なからずあったと考えられます。

ホンダの第3期のF1活動終了の理由はリーマンショックによる景気後退でしたが、今回も同じような理由でF1活動を休止することになります。

F1は参戦する企業にとって世界に存在をアピールをする場だと考えます。そのような場で第3期に続き、満足な成果を残せないまま活動を終了するのはマイナスのイメージしか残りません。今回の第4期の活動においては、多くのファンにとってマクラーレンと低迷した時期の印象が強く残っているため、その後のレッドブルとの活動を考慮しても、企業として良い活動ができたとは言えません。

また、現在、ホンダのパワーユニット供給を受けているレッドブルとアルファタウリは2022年シーズンから新たなパワーユニットサプライヤーを探す必要があり、それに対しての調整や新たな開発が必要になります。

今回のような景気に左右されるF1活動をしていては、仮に次にF1参戦活動を再開する場合においても、共に協力してくれるチームやパートナーを見つけるのが非常に難しくなることになります。また、やめたはずのにすぐに戻ってきてはファンの信頼を失い、ブランドイメージを傷付けることになるだけだと考えます。

したがって、次にホンダがF1に戻ってくることは無い、もしくは10年以上も先になると考えるのが妥当ではないでしょうか。

 

今回のホンダのF1活動終了の発表を受けて、ホンダが行なっている他のモータースポーツ活動への影響が懸念されます。

これまで長期にわたって、ホンダが活躍している二輪のMotoGPでは2020年は不調なシーズンを送っています。また、国内で活動を行なっているSUPER GTやスーパーフォーミュラも未だにマイナーなイメージを払拭できていません。FITやN-ONEを使った市販車によるワンメイクレースも大半のモータースポーツファンは知ることもなく、地味な活動に留まっています。

鈴鹿サーキットでのF1日本グランプリの開催は2021年までの契約となっているようです。もし、ホンダのF1活動と共に鈴鹿サーキットでのF1日本グランプリの開催が途絶えてしまったら、日本でF1を観ることが出来なくなってしまうかもしれません。

また、現在、FIA Formula 2選手権でタイトルの可能性が残っている角田裕毅選手のF1ドライバーへの可能性についても気になります。小林可夢偉選手以来となる久々の日本人F1ドライバーになる可能性が高い角田選手もこのままホンダのF1活動終了と共にヨーロッパでの活動を終えてしまうかもしれません。

今シーズンの結果次第では、スーパーライセンスを取得し、2021年シーズンからアルファタウリでF1参戦が実現する可能性があります。しかし、その後のF1での活動を継続するにはホンダに頼らず、自身で進めなければならなってしまうのではないでしょうか。

ホンダがこのままF1に続いて他のモータースポーツ活動を縮小していくことを望んではいません。モータースポーツファンにとってもモータースポーツの無いホンダは望んでいないと思います。

今回のホンダの決断は社会的状況を長期的に鑑みるとやむを得ない判断なのかもしれません。しかし、ホンダは企業として限られた予算やリソースしかなくても、ファンを裏切ることが無いようにしていただきたいと思います。

F1活動が無くても、モータースポーツを盛り上げていくことは可能です。ホンダには国内外のモータースポーツへの取り組みと振興に貢献し続ける存在であってほしいと期待します。

 

 

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