公式予選

F1の公式予選はQ1、Q2、Q3の3セッションから構成されます。出走台数が20台の場合、最初に18分間のQ1が行われ、各ドライバーのタイミングでタイムアタックを実施し、最も遅い5台の順位(16位~20位)が決定されます。上位の15台はQ2に進出し、Q1で記録したタイムは消去されます。

Q1のチェッカーから7分間のインターバルの後、15分間のQ2が行われ、Q1同様にタイムアタックを実施し、最も遅い5台の順位(11位~15位)が決定されます。上位の10台はQ3に進出し、Q2で記録したタイムは消去されます。

Q2のチェッカーから8分間のインターバルの後、12分間のQ3が行われ、残りの10台の順位(1位~10位)が決定されます。

予選中にコース上に停止した車両は以後のセッションを走行することができません。

2019 F1 SPORTING REGULATIONS - 33) QUALIFYING PRACTICE

 

スタート

スタート手順

F1ではフォーメーションラップ開始時間を起点として以下のスケジュールでスタート進行を行います。

フォーメーションラップ開始 内容
30分前 レコノサンスラップ開始(ピットロード出口オープン)
15分前 レコノサンスラップ終了(ピットロード出口クローズ)
10分前 ドライバー、競技役員、チーム技術スタッフ以外は全員グリッドから退去
3分前 全ての車両はタイヤの装着を完了
1分前 エンジン始動
15秒前 チームスタッフは全員グリッドから退去完了
この後グリーンライトが点灯されフォーメーションラップ開始

 

レコノサンスラップ

決勝のフォーメーションラップ開始時刻の30分前になると、ピットロード出口のシグナルが赤から緑に点灯しコースオープンとなります。競技車両は自身のピットからコースインし、コースを1周走行した後にメインストレートにある自身のグリッドに着きます。

レコノサンスラップではコースイン後もすぐにグリッドに着く必要はなく、ピットインすることで時間内であれば何周も走行することができます。

フォーメーションラップ開始時刻の15分前になるとピットロード出口のシグナルが赤に変わり、コースインすることができなくなります。時間内にコースインできなかった車両はピットスタートとなります。

ピットスタートはレーススタート後に競技車両がピットロード出口付近を全車通過した後、ピットロード出口のシグナルが緑に変わり、ピットスタートの車両はレースに加わることができます。

 

スタート進行

グリッド上でフォーメーションラップに向けてマシンの最終チェックが行われます。スタート前のセレモニーとして国歌斉唱が行われます。

出典:youtube.com

 

フォーメーションラップ

グリーンライトが点灯されたら先頭の車両からフォーメーションラップを開始します。このとき、エンジンストール等によりフォーメーションラップを開始できなかった車両はマーシャルによってコース外に押し出され、スタート可能であればピットレーンからのスタートが認められます。

フォーメーションラップ中の追い越しは禁止されていますが、トラブル等によってスロー走行している車両の追い越しは認められます。この遅れてしまった車両は第1セーフティカーラインに到達するまでに元のグリッド順に戻ることができなければ、ピットレーンからのスタートとなります。

フォーメーションラップ中は、前後の間隔が開きすぎないように走行し、1周回走行した後に全ての競技車両は自身のグリッドに停止します。

グリッドに正しく停止したかどうかはグリッドマーシャルによってチェックされ、全ての競技車両が正しくグリッドに停止すると、グリッド後方でグリーンフラッグが振られます。

出典:youtube.com

 

スタンディングスタート

F1のレーススタートはスタンディングスタートで行われます。

シグナルはシリーズを通して共通の5ユニット式のシグナルで行われます。スターターはF1のレースディレクターが担当します。

1秒毎に1つずつレッドシグナルが点灯し、5つのレッドシグナルが点灯した後、全てのレッドシグナルが同時に消灯されレーススタートとなります。

レッドシグナルが消灯する前に動いた車両はジャンプスタートとなりペナルティの対象となります。

出典:youtube.com

 

エクストラフォーメーションラップ

フォーメーションラップが終了しグリッドに着いた後にエンジンストールなどによりスタートできなくなった場合、ドライバーは手を振るなどの合図により、グリッドマーシャルに知らせます。グリッドマーシャルは黄旗を振ることによってレースディレクター(スターター)に異常を知らせます。

レースディレクターがスタートのやり直しを決定するとイエローライトが点滅し、EXTRA FORMATION LAPのボードが提示されます。その後、グリーンライトが点灯され、フォーメーションラップのやり直しとなり、先頭の車両から再度フォーメーションラップを開始します。

エクストラフォーメーションラップを行うたびにレース周回数は1周減算となります。また、原因となったドライバーは最後尾グリッドからのスタートになります。

出典:youtube.com

 

2019 F1 SPORTING REGULATIONS - 36) STARTING PROCEDURE

 

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セーフティカー

F1においてもコース上にマシンが停止しているなどの危険な状態が存在し、レースを中断するまでもないとき、セーフティカーが導入されコース全域での追い越しが禁止されます。セーフティカー導入中にコース上の危険を除去する作業が行われ、安全が確認されるとレースが再開されます。セーフティカー導入と解除はレースディレクターの判断によって決定されます。

出典:youtube.com

 

セーフティカーが導入されると

セーフティカーが導入されると、全てのポストで黄旗の振動とSCボードが提示され、コース全域で追い越しが禁止されます。デジタルフラッグにおいても『SC』が表示されます。タイミングモニタには『SAFETY CAR DEPLOYED』のメッセージが表示されます。

出典:youtube.com

F1でのセーフティカールールは基本的に国際モータースポーツ競技規則付則H項の手順に準拠しており、独自のルールとしては以下の点が挙げられます。

  • “SC”の表示がFIA灯火パネル(デジタルフラッグ)においても行われます。
  • 公式メッセージ送信システムによってチームへの連絡が行われます。
  • セーフティカー導入から第1セーフティカーラインを2回目に通過するまでに少なくとも1回はFIA ECUが設定した最低タイム以上をかけて走行しなければなりません。
  • セーフティカーがピットレーンを走行する場合は、タイヤ交換以外の目的でピットインしてはいけません。

出典:youtube.com

 

セーフティカーの解除

セーフティカー解除の方法も基本的にはH項に準拠します。セーフティカーの回転灯が消灯されると次の周回からレースが再開となります。合わせてタイミングモニタには『SAFETY CAR IN THIS LAP』のメッセージが表示されます。回転灯消灯後の隊列のペースは先頭車両がコントロールすることができます。セーフティカーが第1セーフティカーラインを超えたら(ピットインしたら)全てのオブザベーションポストでグリーンフラッグが振られてレース再開となります。セーフティカー解除後の追い越しはコントロールラインを通過した時点から認められます。

 

f1セーフティカードライバー

セーフティカーはメルセデスのAMG GT Rが採用されています。セーフティカードライバーは元DTMドライバーのベルント・マイランダーが務めています。

出典:daimler.com

 

2019 F1 SPORTING REGULATIONS - 39) SAFETY CAR

 

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バーチャルセーフティカー (VSC)

バーチャルセーフティカーはF1で2015年から採用されているルールで、セーフティカーを配備するほどではないけれども、コース上の特定の場所でダブルイエロー相当の大幅に減速をする必要があるときに導入されます。

出典:youtube.com

バーチャルセーフティカーの導入が決定されると、コース各地に設置してあるFIA灯火パネルに”VSC”が表示されると共に、レースコントロールから各チームへ”VSC DEPLOYED”のメッセージが配信されます。TV国際映像においても同様のメッセージが表示されます。

VSC中は全ての競技車両は減速しなければならず追い越しは禁止されます。そして、マーシャルセクター区間を予めFIAによって決められたタイムよりも遅いタイムで走行しなければなりません。

速度はGPSにより15メートルの移動毎の所要時間から算出され随時監視されています。違反したドライバーに対して、スチュワード(レース審査委員会)はペナルティを科すことができます。

マーシャルセクター区間とはコースの各所に設置されているFIA灯火パネル(VSCと表示されるデジタルフラッグ)から次のFIA灯火パネルまでの区間のことです。

レース中においてはタイヤ交換以外の目的でピットインすることが禁止されます。セーフティカー同様にバーチャルセーフティカー導入中もレースの周回数としてカウントされます。

バーチャルセーフティカーの終了手順は、まずレースコントロールから各チームへ”VSC ENDING”のメッセージが配信され、それから10〜15秒後にFIA灯火パネルが”VSC”から緑色に変わりVSC解除となります。

バーチャルセーフティカーは2014年第15戦F1日本グランプリで発生した、ジュール・ビアンキ選手の事故を受けて導入が検討されました。第17戦アメリカGPのフリー走行で試験的に導入され、2015年シーズンからバーチャルセーフティカーの運用が開始されました。

国際モータースポーツ競技規則付則H項ではダブルイエロー(黄旗2本振動)区間においては十分な減速をする必要がありますが、徹底されていない事実があるため、強制的に競技車両を減速させることを目的としています。

2019 F1 SPORTING REGULATIONS - 40) VIRTUAL SAFETY CAR (VSC)

 

無線機の使用

F1では規則で無線機の使用が禁止されていないため、レース中に無線機を使用してチームとドライバーが通話を行うことができ、マシンやタイヤの状態、ピットインのタイミング、順位を争っているライバルとの差など様々な情報のやりとりをすることができます。

2016年のF1では競技規則第27.1項にある『ドライバーは、1人で援助なしに運転しなければならない。』の内容を厳格化することがFIAよりアナウンスされ、無線機を使用したチームからドライバーへの援助が規制されることになりました。

実際に無線機を使ってチームがドライバーに援助したとして、ペナルティが科されるケースもありましたが、マシンにトラブルが発生したときの対処方法を無線でチームに聞くといったことも規制の対象となり、安全性が低下するとの声が高まったため、シーズン途中で無線通信の規制は撤廃されました。

2019 F1 SPORTING REGULATIONS - 27) DRIVING