2020年
FIA Formula 3 Championshipとは
FIA F3 ChampionshipはF1ドライバーになるためには参戦必須となっているFIA F2 Championshipへの登竜門となるシリーズです。各地域のFIA F4 Championshipやジュニアフォーミュラレースシリーズのチャンピオンや上位ドライバーが参戦します。
FIA F3 Championshipは世界中の若手ドライバーが数多く参戦し、F1がヨーロッパなどで開催される時には、FIA F2 Championshipと共にサポートレースとして併催されています。
2019年以前は日本を含む世界の各地域でFormula 3選手権が開催されていました。また、FIA F2 Championshipの前身であるGP2シリーズの下位カテゴリーとして2010年から2018年まで『GP3シリーズ』が開催されていました。
FIAがF1を頂点としたフォーミュラカーシリーズの再編を行うため、GP3シリーズはFIA F3 Championshipとして2019年に新たにスタートしました。FIA F3 ChampionshipはFIA F2 Championshipの下位カテゴリーに位置付けられ、それまでに開催されていた各地域のFormula 3選手権は2019年をもって終了することになりました。
各地域で開催されていたFormula 3選手権はフォーミュラリージョナルとしてFIA Formula 3 Championshipと各地域で開催されているFIA Formula 4 Championshipの間に位置付けられるカテゴリーとして残っています。
©FIA Formula 3 Championship
マシンは『ダラーラ F3 2019』のワンメイク
FIA F3 Championshipで使用されるマシンはイタリアのレーシングカーコンストラクターであるダラーラがFIA F3 Championshipのために専用開発した『ダラーラ F3 2019』が採用されています。
エンジンはメカクローム製の3.4L V6 自然吸気エンジンで全車イコールコンディションのワンメイクレースとなっています。
タイヤはF1と同様にピレリが供給します。
ダラーラ F3 2019
2019年にそれまでのGP3からFIA F3 Championshipへ変わるとともに、マシンもGP3で採用されていた『ダラーラ GP3/16』から『ダラーラ F3 2019』へ変更されました。
ダラーラ F3 2019はダラーラ GP3/16をベースにフロントサスペンション周りに修正が加えられ、HALOを装備するなど、安全性が向上しています。
F1と同様にレース中のオーバーテイクのチャンスを増加させるため、DRS(Drag Reduction Systems)が採用されています。
タイヤはF1と同様にピレリが供給します。
車両名称 | ダラーラ F3 2019 |
モノコック | ダラーラ製 カーボンモノコック |
トランスミッション | ヒューランド製 6速 縦型シーケンシャル ギアボックス |
マニエッティマレリ製 電気/油圧式パドルシフト | |
電装系 | ECU-GCUデータロガー |
高速データ収集システム (テレメトリー非装備) |
メカクローム 3.4L V6 自然吸気エンジン
ダラーラ F3 2019にはメカクローム製の3.4L V6 自然吸気(NA)エンジンが搭載されます。エンジンの最大出力は380馬力(@8,000rpm)に達します。このエンジンはGP3シリーズでも採用されていましたが、引き続きFIA F3 Championshipでも継続して採用されています。
パフォーマンス (ダラーラ F3 2019との組み合わせ)
0-100 km/h 加速 | 3.0秒 |
最高速度 | 300 km/h |
最大ブレーキ制動力 | -1.9 G |
最大 横G | ±2.6 G |
2020年 FIA Formula 3 Championship ドライバーラインナップ
チーム | No. | ドライバー |
Prema Racing | 1 | Oscar Piastri |
2 | Frederik Vesti | |
3 | Logan Sargeant | |
Hitech Grand Prix | 4 | Max Fewtrell |
5 | Liam Lawson | |
6 | Dennis Hauger | |
ART Grand Prix | 7 | Théo Pourchaire |
8 | Aleksandr Smolyar | |
9 | Sebastián Fernández | |
Trident | 10 | Lirim Zendeli |
11 | Devlin DeFrancesco | |
12 | Olli Caldwell | |
HWA Racelab | 14 | Enzo Fittipaldi |
15 | Jake Hughes | |
16 | Jack Doohan | |
MP Motorsport | 17 | Richard Verschoor |
18 | Bent Viscaal | |
19 | Lukas Dunner | |
Jenzer Motorsport | 20 | Calan Williams |
21 | Federico Malvestiti | |
22 | Matteo Nannini | |
Charouz Racing System | 23 | Niko Kari |
24 | Igor Fraga | |
25 | David Schumacher | |
Carlin Buzz Racing | 26 | Clément Novalak |
27 | Enaam Ahmed | |
28 | Cameron Das | |
Campos Racing | 29 | Alex Peroni |
30 | Alessio Deledda | |
31 | Sophia Flörsch |
2020年 FIA Formula 3 Championship スケジュール
FIA F3 Championshipの2020年シリーズのスケジュールは新型コロナウイルス『COVID-19』の影響により、当初のスケジュールの大幅な変更を強いられることになりました。
ラウンド | 日程 | 開催地 |
第1戦 | 7/3〜7/5 | オーストリア |
第2戦 | 7/10〜7/12 | オーストリア |
第3戦 | 7/17〜7/19 | ハンガリー |
第4戦 | 7/31〜8/2 | イギリス |
第5戦 | 8/7〜8/9 | イギリス |
第6戦 | 8/14〜8/16 | スペイン |
第7戦 | 8/28〜8/30 | ベルギー |
第8戦 | 9/4〜9/6 | イタリア |
【参考】当初の開催スケジュール
ラウンド | 日程 | 開催地 |
第1戦 | 3/21〜3/22 | バーレーン |
第2戦 | 5/2〜5/3 | オランダ |
第3戦 | 5/9〜5/10 | スペイン |
第4戦 | 7/4〜7/5 | オーストリア |
第5戦 | 7/18〜7/19 | イギリス |
第6戦 | 8/1〜8/2 | ハンガリー |
第7戦 | 8/29〜8/30 | ベルギー |
第8戦 | 9/5〜9/6 | イタリア |
第9戦 | 9/26〜9/27 | ロシア |
ライセンス
FIA F3 Championshipへ参戦するにはFIAが発行する国際Aもしくは国際Bライセンスを保有している必要があります。
スーパーライセンスポイント
FIA F3 Championshipのシリーズ10位までのドライバーには、F1ドライバーになるために必要なスーパーライセンスポイントが与えられます。過去3年においてスーパーライセンスポイントを40ポイント以上を獲得することでスーパーライセンスを取得できる資格が与えられます。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 | 8位 | 9位 | 10位 |
30 | 25 | 20 | 15 | 12 | 9 | 7 | 5 | 3 | 2 |
フリー走行
FIA F3 Championshipでは公式予選の前に45分間のフリー走行(Practice Session)が開催されます。
公式予選
FIA F3 Championshipではレース1の前に公式予選が開催されます。30分間の走行時間の間にタイムアタックを行い、タイムが速いドライバーの順に順位が決定されます。
公式予選の順位に基づき、レース1のスターティンググリッドが決定されます。
また、ポールポジションを獲得したドライバーにはシリーズポイントが4ポイント与えられます。
ポールポジションドライバーのタイムの107%が公式予選通過基準タイムとなります。
レース1
FIA F3 Championshipでは決勝レースはレース1とレース2の2回開催されます。レース1は公式予選の後に開催されます。レース1の周回数は事前に決定されます。
レース1の最大レース時間は40分と定められており、規定の周回数を完了していなくても、40分を経過したラップがファイナルラップ(最終周)となります。
レース1で上位10位のドライバーにポイントが与えられます。
レース2
FIA F3 Championshipではレース1のあと、レース2が開催されます。
リバースグリッドによりグリッド順を決定
FIA F3 Championshipのレース2のグリッド順はレース1の順位に応じて決定されます。レース1で上位10位に入賞したドライバーはリバースグリッドとなります。
レース1で1位だったドライバーはレース2では10位スタートとなり、2位だったドライバーは9位スタートとなります。レース1で11位以下だったドライバーはレース2ではその順位でのスタートとなります。
レース1の順位 | レース2のグリッド |
1位 | 10位 |
2位 | 9位 |
3位 | 8位 |
4位 | 7位 |
5位 | 6位 |
6位 | 5位 |
7位 | 4位 |
8位 | 3位 |
9位 | 2位 |
10位 | 1位 |
11位 | 11位 |
12位 | 12位 |
: | : |
レース1同様にレース2の周回数も事前に決定されます。
レース2の最大レース時間は40分と定められており、規定の周回数を完了していなくても、40分を経過したラップがファイナルラップ(最終周)となります。
レース2で上位10位のドライバーにポイントが与えられます。
セーフティカー / バーチャルセーフティカー(VSC)
FIA F3 Championshipではレース中、コース上に危険な状況が発生した場合は、セーフティカーやバーチャルセーフティカー(VSC)が導入されます。
セーフティカーの運用ルールは基本的に国際モータースポーツ競技規則付則H項に準拠します。
バーチャルセーフティカーの運用ルールはF1での運用方法を踏襲します。
タイヤ
FIA F3 ChampionshipのタイヤはF1と同様にピレリのワンメイクです。
FIA F3 Championshipでは週末を通して使用できるタイヤはドライタイヤ4セットと2セットのウェットタイヤと定められています。
4セットのドライタイヤのうち、3セットは新品のタイヤが供給されますが、1セットは前回のレースから持ち越して使用する必要があります。
フリー走行終了後に前回のレースから持ち越されたドライタイヤを返却しなければなりません。
ポイント
FIA F3 Championshipではレース1レース2の2回のレースが開催されますが、順位に応じて与えられるポイントは以下のように異なります。
また、ポールポジションを獲得したドライバー、それぞれのレースでファステストラップを記録したドライバーにもポイントが与えられます。
シーズンを通して最も多いポイントを獲得したドライバーがシリーズチャンピオンとなります。
レース1
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 | 8位 | 9位 | 10位 |
25 | 18 | 15 | 12 | 10 | 8 | 6 | 4 | 2 | 1 |
レース2
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 | 8位 | 9位 | 10位 |
15 | 12 | 10 | 8 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
ポールポジションに4ポイント
FIA F3 Championshipでは公式予選でポールポジションを獲得したドライバーに4ポイントが与えられます。
ファステストラップドライバーに2ポイント
FIA F3 Championshipではレース1、レース2それぞれのレースでファステストラップを記録したドライバーに2ポイントが与えられます。
ファステストラップでポイントを獲得するには、レース距離の90%以上を走行し、レースを10位以内で完走する必要があります。
ポールポジションを獲得し、レース1、レース2それぞれでファステストラップを記録して優勝した場合、48ポイントを獲得することができます。
歴代チャンピオン
シリーズ | ドライバー | チーム |
2019 | ロバート シュワルツマン | プレマ レーシング |
FIA Formula 3 Championship レギュレーション
2020 FIA FORMULA 3 CHAMPIONSHIP SPORTING REGULATIONS
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