2024年 F1 第22戦 ラスベガスGP 開催概要

 

2020年 バーチャルセーフティカー(VSC)の運用ルール

2020年

 

2021年シーズンの内容については
こちらを参照ください。

 

バーチャルセーフティカーはF1で2015年から採用されているルールで、セーフティカーを配備するほどではないけれども、コース上の特定の場所でダブルイエロー相当の大幅に減速をする必要があるときに導入されます。

 

 

出典:youtube.com

 

バーチャルセーフティカーの導入が決定されると、コース各地に設置してあるFIA灯火パネルに”VSC”が表示されると共に、レースコントロールから各チームへ”VSC DEPLOYED”のメッセージが配信されます。TV国際映像においても同様のメッセージが表示されます。

 

VSC中は全ての競技車両は減速しなければならず追い越しは禁止されます。そして、マーシャルセクター区間を予めFIAによって決められたタイムよりも遅いタイムで走行しなければなりません。

速度はGPSにより15メートルの移動毎の所要時間から算出され随時監視されています。違反したドライバーに対して、スチュワード(レース審査委員会)はペナルティを科すことができます。

マーシャルセクター区間とはコースの各所に設置されているFIA灯火パネル(VSCと表示されるデジタルフラッグ)から次のFIA灯火パネルまでの区間のことです。

レース中においてはタイヤ交換以外の目的でピットインすることが禁止されます。セーフティカー同様にバーチャルセーフティカー導入中もレースの周回数としてカウントされます。

バーチャルセーフティカーの終了手順は、まずレースコントロールから各チームへ”VSC ENDING”のメッセージが配信され、それから10〜15秒後にFIA灯火パネルが”VSC”から緑色に変わりVSC解除となります。

 

バーチャルセーフティカーは2014年第15戦F1日本グランプリで発生した、ジュール・ビアンキ選手の事故を受けて導入が検討されました。第17戦アメリカGPのフリー走行で試験的に導入され、2015年シーズンからバーチャルセーフティカーの運用が開始されました。

国際モータースポーツ競技規則付則H項ではダブルイエロー(黄旗2本振動)区間においては十分な減速をする必要がありますが、徹底されていない事実があるため、強制的に競技車両を減速させることを目的としています。

 

 

2020 FORMULA 1 SPORTING REGULATIONS

2020年4月28日

40) バーチャルセーフティーカー (VSC)

40.1 競技長の指示により、プラクティス走行(フリー走行、予選)あるいはレースを中立化するためにVSC手順が開始される場合がある。
通常VSCが使われるのは、走路のいずれかの区間で二重の黄旗の振動表示が必要とされ競技参加者あるいは競技役員が危険に晒されている可能性があるが、セーフティカーを出動させることが正当化されるほどの状態ではない場合である。

40.2 VSC手順開始の指令が出されると、”VSC DEPLOYED”のメッセージが公式メッセージ送信システムにより全チームに送信され、FIAのすべての灯火パネルに”VSC”と表示される。

40.3 VSC手順が使用されている間、一切の車両は不要に遅くあるいは不規則な動きで、またはその他のドライバーもしくは一切の他者を危険に晒すような方法で運転されてはならない。これは、一切のそのような車両が、走路、ピット入り口あるいはピットレーンのいずれで運転されている場合にも適用される。

40.4 レース中に開始された場合、VSC手順が使用されている間は、タイヤ交換の目的以外で、車両はピットに進入することはできない。

40.5 すべての競技車両は減速し、各マーシャルセクターについて少なくとも1回、および第一と第二両方のセーフティーカーライン上は(マーシャルセクターは各FIA灯火パネルの間の走路の区画と定義される)、FIA ECUが設定した最低タイム以上をかけて走行していなければならない。

FIA灯火パネルが緑色に変わった時も、すべての車両はこの最低タイム以上でなければならない(下記第40条7参照)レース中に開始された場合、競技審査委員会は、上記の最低タイム以上での走行をできなかった一切のドライバーに、第38条3項a)、b)、c)またはd)のいずれかのペナルティを課すことができる。

40.6 下記a)~d)に挙げられる場合を除き、VSC手順が使用されている間は、いかなるドライバーも他車を走路上で追い越すことはできない。

例外は:

a) ピットへ入ろうとしている時、第1セーフティカーラインに到達した後、走路に残っているその他の車両を追い越すことができる。

b) ピットを出ようとしている時、第2セーフティカーラインに到達する前で、ドライバーは走路にいるその他の車を追い越すことあるいは追い越されることができる。

c) ピット入り口、ピットレーンあるいはピット出口にいる場合、ドライバーはその3箇所のうちの1箇所にいるその他の車両を追い越すことができる。

d) 明らかな問題が発生して低速で走行する一切の車両がある場合。

40.7 競技長がVSC手順を終了させることが安全であると判断した場合、”VSC ENDING”のメッセージが公式メッセージ送信システムにより全チームに送信され、その後10秒から15秒後の任意の時にFIA灯火パネルに表示されている”VSC”が緑色に変わり、ドライバーは即時セッションあるいはレース継続をすることができる。30秒後、緑色のライトが消される。

40.8 VSC手順が進行中に完了されるレース中の各周回は、レースラップとして算入される。

 

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