2024年 F1 第22戦 ラスベガスGP 開催概要

 

FIA Formula 2 Championship【2021年】

2021年

 

『FIA Formula 2 Championship』とは?

FIA Formula 2 Championship (FIA F2選手権)はF1の直下に位置付けられているレースカテゴリーです。Formula 1がF1と呼ばれるようにFormula 2もF2と呼ばれます。

F1ドライバーになるためにはFIA F2 Championshipへの参戦は必須と言っても過言ではありません。F1がヨーロッパなどで開催される時には、FIA F2 Championshipはサポートレースとして併催されています。

 

 

FIA Formula 2 Championshipの変遷

F1直下のカテゴリーとしては、1980年代から『国際F3000シリーズ』が長きにわたって開催され、その後継のシリーズとして、2005年から『GP2シリーズ』がスタートしました。

FIAはF1を頂点としたフォーミュラカーシリーズの再編を行うため、現在のFIA F2 ChampionshipがそれまでのGP2シリーズの役割を引き継ぎ、2017年にスタートしました。GP2の下位カテゴリーであったGP3シリーズも2019年からFIA F3 Championshipへと生まれ変わり、FIAの提唱するF1を頂点としたF1、F2、F3、F4のフォーミュラカーレースシリーズのピラミッドが形成されました。

 

 

FIA Formula 2 Championshipが輩出したF1ドライバー

FIAはFIA F2 ChampionshipからのF1ドライバーの輩出を望んでおり、スーパーライセンスポイントでも優遇されています。

FIA F2 Championshipの2017年シリーズチャンピオンのシャルル・ルクレール選手、2018年シリーズチャンピオンのジョージ・ラッセル選手、2020年シリーズチャンピオンのミック・シューマッハ選手がF1ドライバーとなっています。

2020年シーズンに参戦していた角田裕毅選手はシリーズ3位の成績を残し、2021年シーズンはアルファタウリからF1へ参戦することが決定しています。

他にもFIA F2はニコラス・ラティフィ選手、アレクサンダー・アルボン選手や2021年からF1に参戦するニキータ・マゼピン選手らを輩出しています。

 

出典:fiaformula2.com

 

FIA Formula 2 Championship
ロゴマーク

 

©FIA Formula 2 Championship

 

マシンは『ダラーラ F2 2018』のワンメイク

FIA F2 Championshipで使用されるマシンはイタリアのレーシングカーコンストラクターであるダラーラがFIA F2 Championshipのために専用開発した『ダラーラ F2 2018』が採用されています。

エンジン、タイヤも共通仕様で全車イコールコンディションのワンメイクレースとなっています。

 

ダラーラ F2 2018

現在のFIA F2 Championshipがスタートした2017年シーズンはそれまでのGP2シリーズで使用していたマシンである『ダラーラ GP2/11 』が使用されました。

2018年シーズンからはイタリアのダラーラがFIA F2 Championshipのために開発した『ダラーラ F2 2018』が採用されています。2017年のF1安全基準に準拠するため、ドライバーの頭部を保護するHALOが採用されていたり、DRSやピレリ製のタイヤを採用するなど、F1と共通する部分も多くなっています。

 

車両名称 ダラーラ F2 2018
全長 / 全幅 / 全高 5,224mm / 1,900mm / 1,097mm
ホイールベース 3,135mm
重量 755kg (ドライバー含む)
エンジン メカクローム製 V6 3.4L シングルターボチャージャー
安全基準 FIA F1 2017 安全基準を準拠
HALO チタン製 HALO F1仕様
サバイバルセル ダラーラ製 サンドイッチ カーボン/アルミ ハニカム構造
ウイング ダラーラ製 カーボン構造
ボディワーク ダラーラ製 カーボン/ケブラー ハニカム構造
DRS F1仕様DRSと同機能、油圧作動
ギアボックス ヒューランド製 6速縦型シーケンシャルギアボックス、パドルシフト
クラッチ ZF SACHS製 カーボンクラッチ
スターター 車載スターター無し
ディファレンシャル 非油圧式ランプディファレンシャル
燃料 プレミアFT5 125リットル
電装系 マレリ製 Marvel SRG 480 ECU/GCU (データロギングシステム含む)
マレリ製 PDU 12-42 電源供給マネージメントユニット
CANデータ収集システム
ビーコンレシーバー
F1仕様VSC マーシャリングシステム
サスペンション プッシュロッド式ダブルスチールウィッシュボーン
フロント:ツインダンパー、トーションバーサスペンション
リア:スプリングサスペンション
ダンパー コニ製 調整可能ダンパー (フロント:2方向 / リア:4方向)
調整可能アンチロールバー (フロント / リア)
ブレーキキャリパー ブレンボ製 6ピストン モノブロック キャリパー
ブレーキディスク カーボンインダストリー製 カーボンブレーキディスク、パッド
ホイール 18インチ (2020年導入)
O.Z. Racing製 マグネシウムホイール
フロント:18” x 12” / リア:18” x 13.7”
タイヤ ピレリ製 F2仕様 スリック / ウェット タイヤ (TPMS付)
ステアリング ラック&ピニオン式ステアリングシステム (アシスト無し)
ディスプレイ XAP製 ダッシュボード付ステアリングホイール
車載カメラ ロールフープ、ノーズコーン、フェイスショット カメラ装備

 

 

メカクローム 3.4L V6 シングルターボエンジン

ダラーラ F2 2018にはメカクローム製の3.4L V6シングルターボエンジンが搭載されます。最高出力は620馬力となり、ダラーラ F2 2018との組み合わせにより、最高速度は335km/h、0-100km/h加速は2.90秒のパフォーマンスを発揮します。

 

出典:maxf1.net

エンジン出力 620 HP @ 8750 rpm
フライバイワイヤ フライバイワイヤ アクセラレーター システム
リビルド 8,000km毎
最大トルク 570 Nm @ 6,000 rpm

 

パフォーマンス
(ダラーラ F2 2018との組み合わせ)

0-100 km/h 加速 2.90秒
0-200 km/h 加速 6.60秒
最高速度 335 km/h (モンツァ空力仕様+DRS)
最大ブレーキ制動力 -3.5 G
最大 横G ±3.9 G

 

 

FIA Formula 2 Championship
2021年 ドライバーラインナップ

No. ドライバー チーム
1 ロバート シュワルツマン プレマ レーシング
2 オスカー ピアストリ
3 周 冠宇 ユニ-ヴィルトゥオーシ レーシング
4 フェリペ ドルゴビッチ
5 ダニエル ティクトゥム カーリン
6 ジェハン ダルワラ
7 リアム ローソン ハイテック グランプリ
8 ユーリ ヴィップス
9 クリスチャン ルンガー ART グランプリ
10 テオ プルシェール
11 リチャード フェルシュホー MP モータースポーツ
12 リリム ツェンデリ
14 デビッド ベックマン チャロウズ レーシング システム
15 ギリェルメ サマイア
16 ロイ ニッサニー ダムス
17 マーカス アームストロング
20 ジャンルーカ ペテコフ カンポス レーシング
21 ラルフ ボスチャング
22 マッテオ ナンニーニ HWA レースラボ
23 アレッシオ デレッダ
24 ベント フィスカール トライデント
25 佐藤 万璃音

 

 

FIA Formula 2 Championship
2021年 開催スケジュール

FIA F2 Championshipは2020年シーズンと同様にF1のサポートレースとして開催されます。

2020年シーズンまでは格下のFIA F3 Championshipと共にF1と併催されてきましたが、2021年シーズンからは新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、FIA F2とFIA F3は分けて開催されることになりました。

 

ラウンド 日程 開催地
第1戦 3/26〜3/28 バーレーン
第2戦 5/20〜5/22 モナコ
第3戦 6/4〜6/6 アゼルバイジャン
第4戦 7/16〜7/18 シルバーストーン
第5戦 9/10〜9/12 イタリア
第6戦 9/24〜9/26 ロシア
第7戦 12/3〜12/5 サウジアラビア
第8戦 12/10〜12/12 アブダビ

 

 

【参考】2020年 開催スケジュール

ラウンド 日程 開催地
第1戦 7/3〜7/5 オーストリア
第2戦 7/10〜7/12 オーストリア
第3戦 7/17〜7/19 ハンガリー
第4戦 7/31〜8/2 イギリス
第5戦 8/7〜8/9 イギリス
第6戦 8/14〜8/16 スペイン
第7戦 8/28〜8/30 ベルギー
第8戦 9/4〜9/6 イタリア
第9戦 9/11~9/13 イタリア
第10戦 9/25~9/27 ロシア

 

 

ライセンス

FIA F2 Championshipへ参戦するにはFIAが発行する国際Aもしくは国際Bライセンスを保有している必要があります。

 

スーパーライセンスポイント

FIA F2 Championshipのシリーズ10位までのドライバーには、F1ドライバーになるために必要なスーパーライセンスポイントが与えられます。過去3年においてスーパーライセンスポイントを40ポイント以上を獲得することでスーパーライセンスを取得できる資格が与えられます。

 

1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位
40 40 40 30 20 10 8 6 4 3

 

 

走行セッション

FIA F2 Championshipでは金曜日の午前にフリー走行、午後に公式予選が開催されます。土曜日は午前にスプリントレース1 (レース1)、午後にスプリントレース2 (レース2)が開催されます。日曜日は午前にフューチャーレース (レース3)が開催されます。2021年シーズンから1大会で3レースが行われるフォーマットへ変更となりました。

2020年シーズンでは1大会で土曜日にフューチャーレース (レース1)、日曜日にスプリントレース (レース2)の2レースが開催されていました。

 

金曜日 午前
フリー走行

 

金曜日 午後
公式予選

 

土曜日 午前
スプリントレース1

 

土曜日 午後
スプリントレース2

 

日曜日 午前
フューチャーレース

 

 

フリー走行

FIA F2 Championshipでは金曜日に45分間のフリー走行(Practice Session)が開催されます。

モナコやF1と併催されない場合はフリー走行や公式予選のスケジュールを変更できることが認められています。

 

 

公式予選

FIA F2 Championshipの公式予選は金曜日のフリー走行の後に開催されます。30分間の走行時間の間にタイムアタックを行い、タイムが速いドライバーの順に順位が決定されます。

公式予選の順位に基づき、土曜日に開催されるスプリントレース1 (レース1)と日曜日に開催されるフューチャーレース (レース3)のスターティンググリッドが決定されます。

また、ポールポジションを獲得したドライバーにはシリーズポイントが4ポイント与えられます。

ポールポジションドライバーのタイムの107%が公式予選通過基準タイムとなります。

 

モナコでは2グループで開催

モナコでは公式予選はAグループとBグループの2グループに分けて開催されます。AグループとBグループはカーナンバーが奇数か偶数かで分けられます。どちらのグループが先に走行するのかが車検日に抽選によって決定されます。

各グループの走行時間は16分と定められており、全体を通して最も速いタイムを記録したドライバーがポールポジションとなります。2番手グリッドはポールポジションを獲得したドライバーのいないグループのトップタイムを記録したドライバーとなり、3番手グリッドはポールポジションを獲得したドライバーのいるグループの2番手タイムを記録したドライバーといったように決定されます。

 

 

スプリントレース1 (レース1)

FIA F2 Championshipでは決勝レースは『スプリントレース1』、『スプリントレース2』、『フューチャーレース』の3回開催されます。スプリントレース1は『レース1』、スプリントレース2は『レース2』、フューチャーレースは『レース3』と呼ばれることがあります。

スプリントレース1はレース距離が120km、もしくはレース時間が45分間で争われます。上位8位のドライバーにポイントが与えられます。

 

リバースグリッドによりグリッド順を決定

スプリントレース1のグリッド順は公式予選の順位に応じて決定します。公式予選で上位10位のドライバーのグリッドはリバースグリッドとなります。

公式予選で1位だったドライバーはスプリントレース1では10位スタートとなり、2位だったドライバーは9位スタートとなります。公式予選で11位以下だったドライバーはスプリントレース1ではその順位でのスタートとなります。

 

公式予選の順位 スプリントレース1の
グリッド
1位 10位
2位 9位
3位 8位
4位 7位
5位 6位
6位 5位
7位 4位
8位 3位
9位 2位
10位 1位
11位 11位
12位 12位

 

 

スプリントレース2 (レース2)

FIA F2 Championshipのスプリントレース2はスプリントレース1と同様にレース距離が120km、もしくはレース時間が45分間で争われます。上位8位のドライバーにポイントが与えられます。

 

リバースグリッドによりグリッド順を決定

スプリントレース2のグリッド順はスプリントレース1の順位に応じて決定します。スプリントレース1で上位10位のドライバーのグリッドはリバースグリッドとなります。

スプリントレース1で1位だったドライバーはスプリントレース2では10位スタートとなり、2位だったドライバーは9位スタートとなります。スプリントレース1で11位以下だったドライバーはスプリントレース2ではその順位でのスタートとなります。

 

スプリントレース1の
順位
スプリントレース2の
グリッド
1位 10位
2位 9位
3位 8位
4位 7位
5位 6位
6位 5位
7位 4位
8位 3位
9位 2位
10位 1位
11位 11位
12位 12位

 

 

フューチャーレース (レース3)

FIA F2 Championshipのフューチャーレースは、レース距離が170km、もしくはレース時間が70分間で争われます。

フューチャーレースのグリッド順は公式予選の順位に基づき決定されます。スプリントレースと異なり、リバースグリッドは採用されません。

フューチャーレースでは、レース中に最低1回のタイヤ交換を含むピットストップを行うことが義務付けられています。ウェットタイヤを使用しない場合、タイヤ交換によってプライムとオプションの2種類の設定があるタイヤを1セットずつ使用する必要があります。

フューチャーレースで上位10位のドライバーにポイントが与えられます。

 

 

セーフティカー(SC)
バーチャル・セーフティカー(VSC)

FIA F2 Championshipではレース中、コース上に危険な状況が発生した場合は、『セーフティカー (SC)』や『バーチャル・セーフティカー (VSC)』が導入されます。

セーフティカーの運用ルールは基本的に国際モータースポーツ競技規則付則H項に準拠します。また、バーチャル・セーフティカーの運用ルールはF1での運用ルールを踏襲します。

 

 

タイヤ

FIA F2 ChampionshipのタイヤはF1と同様に『ピレリ』のワンメイクです。

2020年シーズンからF1に先駆けて18インチのホイールが採用され、タイヤの径に変更はありませんが、ホイールの径がフロントは245/660-R18、リアは325/660-R18に変更されています。

 

『プライム』と『オプション』の2スペック

FIA F2 Championshipのドライタイヤは『プライム』と『オプション』と呼ばれるコンパウンドの異なる2スペックのタイヤがあります。

タイヤは1開催で6セットのドライタイヤが供給されます。6セットの内、プライムは4セット、オプションは2セットが供給されます。また、コンパウンドが異なるタイヤを組み合わせて装着することは認められていません。

6セットのドライタイヤと3セットのウェットタイヤで金曜日のフリー走行から日曜日のフューチャーレースまで走行する必要があります。

フリー走行の開始前に2セットのプライムタイヤと2セットのオプションタイヤが供給されます。公式予選の開始までにフリー走行で使用した1セットのプライムタイヤを返却しなければなりません。公式予選の前には、新たなプライムタイヤが1セット供給されます。

レース1で使用した1セットのプライムタイヤはレース2の開始までに返却しなければなりません。レース2の前には、新たなプライムタイヤが1セット供給されます。

日曜日に開催されるフューチャーレースではレース中に最低1回のタイヤ交換を含むピットストップを行うことが義務付けられています。

 

 

ポイント

FIA F2 Championshipではスプリントレース1、スプリントレース2、フューチャーレースの3回のレースが開催されますが、順位に応じて与えられるポイントはスプリントレースとフューチャーレースで異なります。

また、ポールポジションを獲得したドライバー、それぞれのレースでファステストラップを記録したドライバーにもポイントが与えられます。

シーズンを通して最も多いポイントを獲得したドライバーがシリーズチャンピオンとなります。

 

スプリントレース1 (レース1)
スプリントレース2 (レース2)

1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位
15 12 10 8 6 4 2 1

 

フューチャーレース (レース3)

1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位
25 18 15 12 10 8 6 4 2 1

 

ポールポジションに4ポイント

FIA F2 Championshipではフューチャーレースの公式予選でポールポジションを獲得したドライバーに4ポイントが与えられます。

 

ファステストラップに2ポイント

FIA F2 Championshipではスプリントレース1、スプリントレース2、フューチャーレースのそれぞれのレースでファステストラップを記録したドライバーに2ポイントが与えられます。

ファステストラップでポイントを獲得するには、レース距離の90%以上を走行し、レースを10位以内で完走する必要があります。

ポールポジションを獲得し、スプリントレース1、スプリントレース2、フューチャーレース、それぞれでファステストラップを記録して優勝した場合、65ポイントを獲得することができます。

 

 

FIA Formula 2 Championship
歴代チャンピオン

シリーズ ドライバー チーム
2017 シャルル ルクレール プレマ レーシング
2018 ジョージ ラッセル ART グランプリ
2019 ニック デ フリース ART グランプリ
2020 ミック シューマッハ プレマ レーシング

 

 

アーカイブ