危険なドライブ行為
No.65『TCS NAKAJIMA RACING 大湯 都史樹』
岡山国際サーキットで開催された2020年スーパーフォーミュラ第2戦はフォーメーションラップでKONDO RACINGの阪口晴南選手がクラッシュしたことによりスタートディレイとなり、レースは1周減算となる50周で争われることになりました。
2度目のフォーメーションラップの後、レースがスタートしましたが、1コーナーで複数台が絡むアクシデントが発生しました。
5番グリッドからスタートしたTCS NAKAJIMA RACINGの大湯都史樹選手が1コーナーへの進入時にタイヤをロックさせてしまい止まりきれずに前方を走行するチームメイトの牧野任祐選手の右リアにヒットしてしまいました。
さらに牧野選手の外側を走行していたKONDO RACINGのサッシャ・フェネストラズ選手にも接触し、上位スタートの3台が関係する大きなアクシデントとなりました。
牧野選手とサッシャ選手はマシンに大きなダメージがあり、1コーナーでレースを終えることになりました。この2台のマシンの回収作業のため、レースはセーフティカーが導入されることになりました。
このアクシデントの原因は大湯選手にあったとして、危険なドライブ行為と判断され、ドライブスルーペナルティが科されました。これにより、大湯選手もレースを失うことになり、最終的に15位でフィニッシュしました。
前方を走行する牧野選手とサッシャ選手には全く過失が無く、2人共にこの接触によってレースを終えることになってしまったことと、レース後に大湯選手もブレーキングミスであったことを認めていましたので、大湯選手へのペナルティの判定は妥当と考えます。
レースとしては、ツインリンクもてぎで開催された第1戦がタイヤ交換と給油の義務付けが無かったために、レース中の順位変動が少なく単調な展開でしたが、今回のレースはタイヤ交換が義務付けとなったため、面白い展開になったと思います。
そのおかげもあり、JMS P.MU/CERUMO・INGINGの坪井翔選手が早めのタイヤ交換を済ませ、いわゆるアンダーカットを決めて、それまでトップを走行していた ITOCHU ENEX TEAM IMPULの平川亮選手をコース上でオーバーテイクし、坪井選手はスーパーフォーミュラ初勝利を手にしました。
第15条 インシデント
1.大会期間中いかなる場合においても、「危険なドライブ行為」を行ってはならない。
本条項の「危険なドライブ行為」とは、
1) 衝突を起こしたもの
2) 他のドライバーのコースアウトを強いるもの
3) 他のドライバーによる正当な追い越し行為を妨害するもの
4) 追い越しの最中に他のドライバーを不当に妨害するもの
5) FIA国際競技規則付則L項第4章第2条に違反したもの
等を指し、その行為が危険と判定された場合は、厳しく罰せられる。