2018年
T500クラス、燃料流量リストリクター数値の調整
2017年からGT500クラスはウエイトハンディが50kgを超えた場合は車載ウエイトに加えて燃料流量リストリクター径の調整が加えられていましたが、2018年は燃料流量が見直され、2017年よりもウエイトハンデがより厳しくなりました。
ウエイトハンディ | 車載ウエイト | 燃料流量リストリクター |
0~50kg | 0~50kg | 95.0kg/h |
51~67kg | 34~50kg | 92.4 → 91.8kg/h |
68~84kg | 34~50kg | 89.8 → 88.6kg/h |
85~100kg | 35~50kg | 87.4 → 85.5kg/h |
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GT300クラス、公式予選Q1で組み分けを実施
2018年からエントリー台数の増加に伴い、GT300クラスの公式予選Q1で組み分け方式(A組/B組)が採用される場合があることが決定されました。組み分けを実施するかどうかはレース開催前にGTAから発表されます。
組み分けは前大会の競技結果成績(チーム順位)に基づき、基数順位がA組、偶数順位がB組となります。
組み分けがない場合、Q1は全車走行の10分間セッションが行われます。
上位14台がQ2へ進出し、15位以下はグリッド決定となります。
組み分けがある場合、Q1は最初にGT300 A組による10分間のセッションが行われ、5分間のインターバルの後、GT300 B組による10分間のセッションが行われます。
各組の上位7台ずつ、合計14台がQ2へ進出。15位以下はグリッド決定となります。
第29条 プラクティスセッション(公式予選等)
1. プラクティスセッションは、公式練習および公式予選で構成される。
1) 公式練習
オーガナイザーは公式予選の前に最低1時間45分の公式練習走行時間を設けなければな
らない。
2) 公式予選
オーガナイザーは、決勝レース出場車両の選抜およびグリッド位置の決定を行うため、ノックアウト予選方式による公式予選を行うものとする。クラスⅡ(GT300)の1回目の予選(Q1)は2組に分けて実施される場合があり、組分けは予選日の前日迄にSUPER GTレースブルテンにて公示される。組分けに対する抗議は認められない。公式予選の具体的な手順については付則-7「ノックアウト予選方式の実施細則」に示される。
なお、天候等の不可抗力の場合は、競技会審査委員会の決定によるものとする。
3) 各競技車両は、走行可能クラスの表示に従うこと。走行可能クラスの表示がコースに示されると同時にそのクラスの競技車両のファストピットレーンへの進入が許される。
4) 公式予選は決勝レースのスタート時刻の少なくとも5時間前までに終了しなければならない。
ただし、天候等の不可抗力による変更は当該競技会審査委員会の決定によるものとする。
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決勝スタート時の2列隊列走行の厳格化
2018年から決勝スタート時の2列隊列走行の厳格化がスポーティングレギュレーションにより規定されました。グリッドボードが提示されてからスタートシグナル(グリーンライト)が点灯するまではポールポジション車両による先導で速度は80~90km/hに制限され、加減速することが禁止されました。
また、これまでシグナルによるスタート合図(レッドシグナル点灯→グリーンシグナル点灯)はGT500クラスのみに行われていましたが、2018年からGT300クラスに対しても行われることになりました。GT500クラス同様にスタートシグナルの点灯まで90km/hを超えて走行することが禁止されます。
第32条 スタート手順
12. フォーメーションラップが開始され全車グリッドを離れた時点でスタートラインの信号灯にレッドライトが点灯され、全マーシャルポストにおいてイエローフラッグが提示される。この周回中にスタート練習を行うこと、著しく隊列を乱すことや追い越しは禁止され、前車との間隔をできるだけ詰めて走行しなければならない。
グリッドボードにより指示された後は、前車との距離は5車身以内に保ち、隊列は2列縦隊に整えて前車の走行ラインから左右にはみ出してはならない。また、ストレート上においては、クラスⅠ(GT500)についてはスタートの合図(グリーンライトの点灯)が出るまでの間、クラスⅡ(GT300)についてはグリーンライトの再点灯またはスタートポディウムでの開催国の国旗が振動表示されるまでの間、各車が発進したグリッドの側のグリッド枠から横にはみ出さないように2列縦隊を形成すること。
13. オフィシャルカーは、フォーメーションラップの終了と共にコースから退去する。グリッドボードにより指示された後、スタート信号灯(グリーンライト)が点灯するまでは、競技車両はポールポジション車両の先導で最低速度約80km/h、最高速度約90km/hにてそのまま走行を続け、加減速を行ってはならない。
スタート審判員は、ポールポジション車両の速度測定とスタート時の追越しを監視する。
これらに違反があった場合、タイムペナルティが課せられる(第13条「インシデント」参照)。
15. フォーメーションラップを先導するオフィシャルカーの速度は、最高約90㎞/hに保たれる。
16. スタートは、競技長が管理するスタート信号灯(グリーンライト)により合図される。スタートラインの信号灯のレッドライトがグリーンライトに変わるとレーススタートとなるが、各競技車両はスタートラインを通過するまで他車を追い越してはならない。
GT500先頭車両はグリーンライトが点灯されるまで最低速度約80km/h、最高速度約90㎞/hを維持する。
また、GT300の先頭車両(リーディングカー)はスタート信号灯(グリーンライト)の再点灯またはスタートポディウムでの開催国の国旗の振動表示まで時速90km/hを超えてはならない。
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GTA指定レースでのエアコンまたはクールスーツの搭載義務付け
GTAが指定する大会においては、車両にエアコンを搭載するか、クールスーツシステムを搭載することが義務付けられました。タイ大会や夏場に開催されるレースでは暑さが懸念され、エアコンやクールスーツによってドライバーの体調管理が行われてきましたが、軽量化のためエアコンもクールスーツも搭載しないという作戦が存在してきました。今回のレギュレーション変更により、そのような作戦が禁止されることになります。
第25条 参加車両
5. エアコンディショナー装置
競技中のドライバーの熱中症防止等ドライバー保護のためのエアコンディショナー(ドライバークー
リングシステム全般)の装備が推奨される。エアコンディショナーを装備しない場合、GTAが指定
する競技会においては、クールスーツシステムの搭載および使用が義務付けられる。
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燃料補給中の窓拭きウィンドウフィルム剥がしが許可
レース中のピットストップ作業において、燃料補給中はドライバーの乗降などレギュレーションで定められた一部の作業しか行うことが認められていませんでしたが、2018年からは燃料補給中に窓拭きやウィンドウフィルム剥がしの作業が認められることになりました。
第27条 ピットエリア
3) 燃料補給中は以下を除きすべての作業が禁止される。ただし、認められる作業に当たる要員はドライバーとメカニック1名の合計2名、もしくはメカニックのみ合計2名までとする。
①ドライバーの乗降
②シートベルトの装着の補助
③計時用トランスポンダーのセット
④ドライバー無線、ドリンクボトルおよびクールスーツの接続、アイスボックスの氷交換
⑤窓拭きおよびウィンドウフィルム剥がし
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第23条 ウェイトハンディ制
2. 上記1項におけるウェイトハンディは100kgを上限とし、この上限を超える分は積載を免除されるが、数値上の累計は行われる。
クラスI(GT500)車両については、課されたウェイトハンディが50kgを超えた場合、次のとおり燃料流量リストリクター径の調整を併用したハンディが課される。