2024年 F1 第5戦 中国GP 開催概要

 

ABB FIA Formula E Championship【2019-2020年】

2019-2020年

 

2020-2021年シーズンの内容については
こちらを参照ください。

 

ABB FIA Formula E Championshipとは

ABB FIA Formula E Championship(フォーミュラE)はバッテリーとモーターを搭載した電気自動車によるフォーミュラカーのレースシリーズで2014年にスタートしました。これまでのモータースポーツはエンジンを搭載したレーシングカーがガソリンを消費することによって実現してきましたが、Formula Eはガソリンのような化石燃料を消費したり、二酸化炭素を排出することのない、新しいモータースポーツです。

Formula Eは環境にやさしい電気自動車の普及を目的とし、モーターの開発が認められているため、メルセデスやポルシェ、日産など数多くの自動車メーカーも参戦しています。

レースは基本的にモータースポーツ専用のサーキットではなく、大都市などの市街地に作られた特設のコースで開催されます。F1では各レースをグランプリと呼びますが、Formula Eでは『e-Prix(イー・プリ)』と呼びます。

F1では毎年、各シーズンは春に開幕し、秋に終了しますが、Formula Eでは年またぎのシーズンとなっていることが特徴的で、各シーズンは秋に開幕し、翌年の夏に終了するスケジュールになっています。

 

©ABB FIA Formula E Championship

 

 

 

 

マシンは全車共通の『Gen2』

ABB FIA Formula E Championshipのマシンはスパーク・レーシング・テクノロジーとダラーラが共同で開発した『Spark SRT05e』が採用されています。このマシンは2018-2019シーズンから導入され『Gen2』と呼ばれています。2020-2021シーズンにはこのGen2を改良した『Gen2 EVO』の導入が決定しています。

先代の『Gen1』と呼ばれるシャシーではバッテリーの容量が28kWhと小さく、レース中にマシンを乗り換える必要がありました。『Gen2』ではバッテリーの容量が54kWhへ大容量化が図られたことから、レース中にマシンを乗り換える必要が無くなりました。

Gen2は安全性にも考慮しており、F1と同様にドライバーの頭部を保護するためのHALOが装着されました。

Gen2に搭載するモーターは各チームが独自で設計するか、25万ユーロ以下のコストで調達する必要があります。いずれの場合もFIAの認証を得る必要があります。

 

全長 / 全幅 / 全高 5,160 mm / 1,770 mm / 1,050 mm
トレッド (フロント) 1,553 mm
トレッド (リア) 1,505 mm
最大地上高 75mm
ホイールベース 3,100 mm
最低車両重量 900 kg (ドライバー含む / バッテリー:385kg)
最大出力 250 kW (335 HP)
レースモード最大出力 200 kW (270 HP)
最大回生電力 250 kW
最高速度 280 km/h
加速力 (0-100km/h) 2.8 秒

 

 

Gen2 EVO

 

 

ABB FIA Formula E Championship 2019-2020シーズン ドライバーラインナップ

チーム No. ドライバー
エンビジョン ヴァージン レーシング 2 サム バード
4 ロビン フラインス
NIO 333 FE チーム 3 オリバー ターベイ
33 マー キンファ
メルセデスベンツ EQ フォーミュラE チーム 5 ストフェル バンドーン
17 ニック デ フリース
GEOX ドラゴン 6 ブレンドン ハートレー
7 ニコ ミュラー
アウディ スポーツ ABT シェフラー フォーミュラE チーム 11 ルーカス ディ グラッシ
66 ダニエル アプト
DS テチーター 13 アントニオ フェリックス ダ コスタ
25 ジャン エリック ベルニュ
タグホイヤー ポルシェ フォーミュラE チーム 18 ニール ジャニ
36 アンドレ ロッテラー
ロキット ヴェンチュリ レーシング 19 フェリペ マッサ
48 エドアルド モルタラ
パナソニック ジャガー レーシング 20 ミッチ エバンス
51 ジェームス カラド
ニッサン e.ダムス 22 オリバー ローランド
23 セバスチャン ブエミ
BMW i アンドレッティ モータースポーツ 27 アレクサンダー シムズ
28 マキシミリアン ギュンター
マヒンドラ レーシング 64 ジェローム ダンブロシオ
94 パスカル ウェーレイン

 

 

ABB FIA Formula E Championship 2019-2020シーズン スケジュール

ABB FIA Formula E Championshipの2020年シリーズのスケジュールは新型コロナウイルス『COVID-19』の影響により、第5戦を終えた時点で中断されていました。

6月17日、フォーミュラEは第6戦から第11戦までの6レースを8月にドイツ・ベルリンで開催することを発表しました。コースレイアウトを変更し、3レイアウトのコースでダブルヘッダーのレースを3回開催します。

 

ラウンド 日程 開催地
第1戦
第2戦
2019/11/22
2019/11/23
サウジアラビア
第3戦 1/18 チリ
第4戦 2/15 メキシコ
第5戦 2/29 モロッコ
第6戦
第7戦
8/5
8/6
ドイツ
第8戦
第9戦
8/8
8/9
ドイツ
第10戦
第11戦
8/12
8/13
ドイツ

 

 

 

【参考】当初の開催スケジュール

ラウンド 日程 開催地
第1戦
第2戦
2019/11/22
2019/11/23
サウジアラビア
第3戦 1/18 チリ
第4戦 2/15 メキシコ
第5戦 2/29 モロッコ
第6戦 3/21 中国
第7戦 4/4 イタリア
第8戦 4/18 フランス
第9戦 5/3 韓国
第10戦 6/6 インドネシア
第11戦 6/21 ドイツ
第12戦 7/11 アメリカ
第13戦
第14戦
7/25
7/26
イギリス

 

 

2020-2021シーズン 暫定スケジュール (2020/6/19)

ラウンド 日程 開催地
第1戦 2021/1/16 チリ (サンティアゴ)
第2戦 2021/2/13 メキシコ (メキシコシティ)
第3戦
第4戦
2021/2/26
2021/2/27
サウジアラビア (ディルイーヤ)
第5戦 2021/3/13 中国 (三亜)
第6戦 2021/4/10 イタリア (ローマ)
第7戦 2021/4/24 フランス (パリ)
第8戦 2021/5/8 モナコ (モナコ)
第9戦 2021/5/23 韓国 (ソウル)
第10戦 2021/6/5 未定
第11戦 2021/6/19 ドイツ (ベルリン)
第12戦 2021/7/10 アメリカ (ニューヨーク)
第13戦
第14戦
2021/7/24
2021/7/25
イギリス (ロンドン)

 

 

 

ライセンス

ABB FIA Formula E Championshipへ参戦するにはFIAが発行する『e-Licence(e-ライセンス)』を保有している必要があります。

e-ライセンスを申請するためには、スーパーライセンスポイントを過去3年間で20ポイント以上獲得している必要があります。また、以前にスーパーライセンスを保持していたり、過去のFormula Eのレースに3戦以上参加したことがあるドライバーもe-ライセンスを申請する資格があります。

Formula Eの公式テストに参加するためには国際Bライセンスを保持している必要があります。また、国際Cライセンスの保有者でもシングルシーターカテゴリーで実績があり、FIAに認められれば参加が認められる場合があります。

 

ペナルティポイント

ABB FIA Formula E Championshipには独自のペナルティポイントシステムがあり、レギュレーション違反や悪質なドライビング行為に対して、スチュワードがペナルティポイントをドライバーに科します。

累積のペナルティポイントが12ポイントに達すると、次のレースは出場停止となります。ペナルティポイントは12か月経過すると消滅します。

 

 

スーパーライセンスポイント

ABB FIA Formula E Championshipのシリーズ10位までのドライバーには、F1ドライバーになるために必要なスーパーライセンスポイントが与えられます。過去3年においてスーパーライセンスポイントを40ポイント以上を獲得することでスーパーライセンスを取得できる資格が与えられます。

 

1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位
30 25 20 10 8 6 4 3 2 1

 

 

 

走行セッション

ABB FIA Formula E Championshipでは基本的に土曜日1日でフリー走行、公式予選、決勝を全て行います。いくつかのレースにおいては日曜日にもレースが行われダブルヘッダーとして開催されます。

レースイベントの前日となる金曜日にはシェイクダウンと呼ばれる走行が行われますが、マシンの最大出力が制限されるため、土曜日の走行のための事前チェックの位置づけです。

土曜日にはマシンのセッティングやパフォーマンスの確認を行うフリー走行が開催され、その後、レースのスターティンググリッドを決定する公式予選が開催されます。公式予選の後、決勝レース(e-Prix)が開催されます。

 

 

シェイクダウン

ABB FIA Formula E Championshipでは金曜日にシェイクダウンと呼ばれる走行セッションが設定されています。マシンのチェックや電子システムの動作確認のために行われるため、マシンの最大出力は110kWに制限されます。

Formula Eは市街地コースでの開催が多いため、シェイクダウンではコースレイアウトや縁石の位置などのチェックも行われます。

 

 

フリー走行

ABB FIA Formula E Championshipでは公式予選の前に2回のフリー走行が行われます。最初に45分間、次に30分間のフリー走行が行われます。

ダブルヘッダーのレースでは2日目は30分間のフリー走行は行われません。

フリー走行では最大出力は250kWまで認められています。

 

 

公式予選

ABB FIA Formula E Championshipの公式予選は最大6台のマシンによる4グループに分けて行われます。各グループの走行時間は6分間と定められており、この間にタイムアタックを行い、ラップタイムを記録する必要があります。

公式予選では最大出力は250kWまで認められています。

全体順位で上位6位のラップタイムを記録したドライバーは『スーパーポールシュートアウト』へ進出します。7位以下のドライバーは記録したタイム順に順位が決定します。

 

スーパーポールシュートアウト

4グループに分けて行われた走行で上位6位のラップタイムを記録したドライバーによってスーパーポールシュートアウトが争われます。

6位のドライバーから1台ずつコースインし、1台ずつタイムアタックを行います。最も速いタイムを記録したドライバーがポールポジションとなります。

 

 

e-Prix (決勝)

ABB FIA Formula E Championshipの決勝レースは『e-Prix』と呼びます。

通常のレースではスタートに先駆けてフォーメーションラップを1周走行しますが、Formula Eではコースを1周するフォーメーションラップは行われません。

レース開始前にピットアウトしたマシンがコースインし、メインストレートに設定されたダミーグリッドと呼ばれる場所に停車し、ダミーグリッド上でレーススタート時間を待ちます。Formula Eではこのダミーグリッドがレースをスタートするスターティンググリッドの手前に設定されています。

Formula Eではダミーグリッドからスターティンググリッドへの移動がフォーメーションラップとして扱われています。

レースのスタートはF1と同じようにシグナルによるスタンディングスタートで行われます。

Formula Eのレース距離は周回数ではなく、45分間と定められています。レーススタートから45分が経過した次の周回がファイナルラップ(最終周)となります。

 

 

セーフティカー / フルコースイエロー(FCY)

ABB FIA Formula E Championshipではレース中、コース上に危険な状況が発生した場合は、セーフティカーやフルコースイエロー(FCY)が導入されます。

セーフティカーやフルコースイエローの運用ルールは基本的に国際モータースポーツ競技規則付則H項に準拠します。

Formula E独自のルールとして、セーフティカーやフルコースイエローが導入されている間は導入時間がカウントされており、レース中に使用できるバッテリーの電力量が導入時間1分あたり1kWhが差し引かれることになっています。

また、セーフティカーやフルコースイエローが導入されている間に、アタックモードをアクティベートすることはできません。

計算は1分単位で行われ、1分未満は計算されません。また、セーフティカーやフルコースイエローが導入されたままレースが終了した場合は、電力量の減算は行われません。

 

 

 

ファンブースト

ABB FIA Formula E Championshipには『ファンブースト』と呼ばれる独自の人気投票システムがあります。レース開催前にファンによって投票が行われ、ファンから多くの票を集めたドライバーにファンブーストが与えられます。

ファンブーストはレース後半に使用が認められ、5秒間だけ一時的にモーター出力の上限を上げて走行することができ、オーバーテイクに貢献することができます。

ファンブーストは専用サイトへのアクセス、もしくはハッシュタグ『#FANBOOST』と共に投票したいドライバーの名前をSNSへ投稿することで投票することができます。

投票期間はレース開催日の6日前から各レースの15分前までです。

 

 

 

 

アタックモード

2018-2019シーズンから、Formula E独自の『アタックモード』と呼ばれるオーバーテイクのチャンスを増加させる新たなシステムが導入されました。

アタックモードを起動させるためには、レーシングラインを外れたところに設定される『アクティベーションゾーン』を通過する必要があります。

アクティベーションゾーンを通過するにはレーシングラインを外すため、その瞬間はタイムをロスすることになりますが、数周に渡って35kWの追加のパワーを得ることができるため、その後のレース展開を有利に進めることができる可能性があります。

 

 

 

タイヤ

ABB FIA Formula E Championshipのタイヤはミシュランのワンメイクです。

F1に代表されるフォーミュラカーでは晴れ用のドライタイヤと雨用のウェットタイヤを路面コンディションに合わせて使い分ける必要がありますが、Formula Eで採用されているタイヤは全天候型となっており、路面の影響を受けることがありません。また、ホイールはF1に先駆け18インチの大径ホイールを採用しています。

Formula Eでは各レース毎にフロントタイヤ4本、リアタイヤ4本が供給され、合計2セットのタイヤでフリー走行からレースが終了するまで走行する必要があります。

 

 

バッテリー充電

ABB FIA Formula E Championshipのマシンは電気自動車であるため、走行後はバッテリーを充電する必要があります。

ただし、車検、公式予選、決勝、車両保管(パルクフェルメ)の間は、バッテリーを充電することが禁止されています。

フリー走行や各走行セッションの間の時間でバッテリーを充電する必要があります。

 

 

ポイント

ABB FIA Formula E Championshipでは決勝(e-Prix)の順位に応じてポイントが与えられます。

また、ポールポジションを獲得したドライバー、レース中にファステストラップを記録したドライバーにもポイントが与えられます。

シーズンを通して最も多いポイントを獲得したドライバーがシリーズチャンピオンとなります。

 

1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位
25 18 15 12 10 8 6 4 2 1

 

 

ポールポジションに3ポイント

ABB FIA Formula E Championshipでは公式予選(スーパーポールシュートアウト)でポールポジションを獲得したドライバーに3ポイントが与えられます。

 

 

ファステストラップドライバーに1ポイント

ABB FIA Formula E Championshipではレース中にファステストラップを記録したドライバーに1ポイントが与えられます。

ファステストラップでポイントを獲得するには、レースを10位以内で完走する必要があり、ファンブーストを使用して記録したタイムは認められません。

 

 

ABB FIA Formula E World Championship
歴代チャンピオン

シリーズ ドライバー チーム
2014-2015 ネルソン ピケ Jr. チャイナ レーシング
2015-2016 セバスチャン ブエミ ルノー e.dams
2016-2017 ルーカス ディ グラッシ アプト シェフラー アウディ スポート
2017-2018 ジャン エリック ベルニュ テチーター
2018-2019 ジャン エリック ベルニュ DS テチーター
2019-2020 アントニオ フェリックス ダ コスタ DS テチーター
2020-2021 ニック デ フリース メルセデスEQ フォーミュラEチーム

 

 

ABB FIA Formula E World Championship レギュレーション

2021-2022 FIA FORMULA E CHAMPIONSHIP SPORTING REGULATIONS

 

 

関連サイト