BoP (性能調整)


SUPER GTはエンジン排気量やレイアウト、ボディ形状などが異なる様々な車両が混走するカテゴリーであるため、車両の違いによって有利、不利が発生します。その車両違いによる不公平を解消し、レースがより接戦となるようにBoP(Balance of Performance)というシステムによって車両性能の均一化が図られています。BoPは日本語では『性能調整』という意味になります。

レース開催前になると大会毎にGTAからBoPの対象となる車両と内容が発表されます。BoPの内容は主に以下のようになっています。

  • 最低車両重量
  • エアリストリクター径
  • 最低地上高
  • 最大過給圧

BoPは主にJAF-GTやFIA-GT3など様々な規格の車両があるGT300クラスに対して行われますが、GT500クラスにおいても、ミッドシップエンジンレイアウトのHonda NSXに対して最低車両重量のBoPが行われています。

具体的にはGT500クラスの車両はJAF-GT500という車両統一規則に則って制作する必要がありますが、規則においてはフロントエンジン・リアドライブと規定されてます。Honda NSX-GTは特例としてミッドシップエンジン/リアドライブのレイアウトを認められていますが、ミッドシップエンジン車はフロントエンジン車に対してアドバンテージがあると判断されています。そこでBoPによって、フロントエンジン車の最低車両重量1020kgに対して、Honda NSX-GTの最低車両重量は1049kgに調整されています。

GT300クラスのFIA-GT3車両のBoPは世界的なFIA-GT3車両によるレースシリーズである『BLANCPAIN GT SERIES』を統括するSRO Motor Sports Groupが規定しているBoPを参考にして適用されています。

 

2019 SUPER GT 第3戦 鈴鹿サーキット BoP

 

GT500クラス

対象車種 : HONDA NSX-GT
参加条件 : 競技車両最低重量 : 1049kg
但し、GTAが指定するバラストウェイトを指定位置に搭載しなければならない。

 

GT300クラス

JAF-GT300

車両 最低車重 エアリストリクター BoP重量 備考
TOYOTA PRIUS #30 1250kg 34.5mm x2 +0kg HYBRID重量 : 無し (非搭載)
TOYOTA PRIUS #31 1250kg 34.5mm x2 +0kg HYBRID重量 : +51.0kg
SUBARU BRZ 1150kg None +0kg *過給圧は下表参照 

*最低地上高はスキッドブロック厚10mm(±2mm)、基準面とスキッドブロックの間にスペーサー15mmを装着とする。
*燃料補給装置流量リストクター(内径27.5mm)が適用される。

 

JAF-GT300 マザーシャシー

車両 最低車重 エアリストリクター BoP重量 備考
TOYOTA 86 MC
LOTUS Evora MC
TOYOTA MARK X MC
1100kg 40.00mm x1 28.29mm x2 +50kg  

*最低地上高はスキッドブロック厚10mm(±2mm)、基準面とスキッドブロックの間にスペーサー15mmを装着とする。
*燃料補給装置流量リストクター(内径27.5mm)が適用される。

 

FIA-GT3

車両 最低車重 BoP重量 エアリストリクター 備考
HONDA NSX GT3 EVO 1260kg +40kg None *過給圧は下表参照
Aston Martin AMR Vantage GT3 1285kg +15kg None *過給圧は下表参照
AUDI R8 LMS EVO 1235kg +70kg 40mm x2  
Lamborghini HURACAN GT3 1230kg +75kg 39mm x2  
LEXUS RC F GT3 1300kg +20kg 38mm x2  
McLaren 720S GT3 1205kg +60kg None *過給圧は下表参照
Mercedes-Benz AMG GT GT3 1285kg +45kg 34.5mm x2 Lambda Min 0.93
NISSAN GT-R NISMO GT3 2018 1285kg +30kg None *過給圧は下表参照
NISSAN GT-R NISMO GT3 2015 1290kg +10kg 40mm x2 *過給圧は下表参照
Porsche 991 GT3-R 1225kg +30kg 41.5mm x2  

 

最大過給圧

   JAF-GT300 FIA-GT3
SUBARU BRZ McLaren 720S GT3 Aston Martin AMR Vantage GT3
エンジン回転数[rpm] 過給圧レシオ @Lambda
4000   1.76 @0.88 1.54 @0.91
4250      
4500   1.73 @0.88 1.64 @0.91
4750 4.11 @0.92    
5000 4.04 @0.92 1.70 @0.88 1.73 @0.91
5250 3.85 @0.92    
5500 3.64 @0.92 1.67 @0.88 1.79 @0.91
5750 3.45 @0.92    
6000 3.23 @0.92 1.59 @0.88 1.80 @0.91
6250 3.06 @0.92    
6500 2.93 @0.92 1.54 @0.88 1.80 @0.91
6750 2.85 @0.92   1.78 @0.91
6900      
≥ 7000 2.70 @0.92 1.44 @0.88 1.75 @0.91
≥ 7250 2.53 @0.92    
≥ 7500 2.39 @0.92 1.39 @0.88  
8000   1.32 @0.88  
8100   1.10 @0.88  

 

 

   FIA-GT3
HONDA NSX GT3 NISSAN GT-R NISMO GT3 2018 NISSAN GT-R NISMO GT3 2015
エンジン回転数[rpm] 過給圧レシオ @Lambda
4000 1.83 @0.88 1.94 @0.88 2.02 @0.90
4250      
4500 1.87 @0.88 1.93 @0.88 2.00 @0.90
4750      
5000 1.95 @0.88 1.92 @0.88 1.97 @0.90
5250      
5500 1.99 @0.88 1.89 @0.88 1.94 @0.90
5750      
6000 2.01 @0.88 1.85 @0.88 1.93 @0.90
6250      
6500 2.03 @0.88 1.83 @0.88 1.91 @0.90
6750      
6900   1.80 @0.88  
≥ 7000 2.01 @0.88 1.51 @0.88 1.89 @0.90
≥ 7250      
≥ 7500 1.98 @0.88    
8000      
8100      

 *上記値は過給圧レシオであり、GTAが公示する基準大気圧に上記レシオをかけて最大過給圧が決定される。
*チームは各イベントにおいてGTAが発表する現地大気圧に合わせて過給圧を調整しなければならない。

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