タイヤ

SUPER GTのタイヤはワンメイクではなく複数のサプライヤーから供給されるマルチメイクとなっています。2018年シーズンはブリヂストン、ミシュラン、ヨコハマ、ダンロップからタイヤが供給されています。

 

ドライタイヤは6セット

各レースで使用できるドライタイヤは6セット(24本)です。

公式予選Q1で使用できるタイヤは1セットに限られます。Q2に進出できなかった車両はこのタイヤで決勝をスタートしなければなりません。

公式予選Q2で使用できるタイヤも1セットに限られます。。Q2に進出した車両はこのタイヤ、もしくはQ1で使用したタイヤで決勝をスタートしなければなりません。

 

ウェット宣言

路面がウェット状態のとき、競技長はウェット宣言を行います。ウェット宣言とはウェットタイヤを使用してもいいですよという意味で、WETボードの提示やタイミングモニタなどの表示によってチームに知らされます。ウェット宣言が行われない状態でウェットタイヤを使用すると違反です。

決勝においてはウェット宣言は行われず、ウェットタイヤの使用はチームの判断で行われます。

 

ウエイトハンディ

ドライバーが獲得したポイントに応じて、ウエイトハンディを積載しなければなりません。車両重量は運動性能に直結するため、ウエイトハンディによってSUPER GTでは速いマシンが勝ち続けるのは難しく、常にレース展開は接戦となりレースを面白くします。ウエイトハンディの上限は100kgです。最終戦はウエイトハンディ無しで行われます。

獲得ポイント × 2kg (第6戦まで)

 

獲得ポイント × 1kg (第7戦)

 

ウエイトハンディ無し (第8戦)

 

sgt_weight

 

GT500クラスは燃料流量リストリクターを併用

GT500クラスはウエイトハンディが50kgを超えた場合は下表に従って、車載ウエイトに加えて燃料流量リストリクター径の調整が加えられます。ウエイトハンディに応じて燃料流量リストリクターの径は3段階に調整され、ウエイトハンディの上限は100kg(車載ウエイト50kg、燃料流量リストリクター85.5kg/h)となります。

燃料流量リストリクターによる流量の数値は2018年シーズンに向けて見直しが行われました。2019年シーズンは2018年から変更はありません。

ウエイトハンディ 車載ウエイト 燃料流量リストリクター
0~50kg 0~50kg 95.0kg/h
51~67kg 34~50kg 91.8kg/h
68~84kg 34~50kg 88.6kg/h
85~100kg 35~50kg 85.5kg/h

 

2019年SUPER GT 第2戦 富士スピードウェイ ウエイトハンディ

GT500

No. マシン WH[kg]
1 ARTA NSX-GT 20
2 MOTUL AUTECH GT-R 17
3 カルソニック IMPUL GT-R 11
4 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R 8
5 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R 6
6 WedsSport ADVAN LC500 5
7 MOTUL MUGEN NSX-GT 4
8 ZENT CERUMO LC500 3
9 au TOM’S LC500 2
10 Modulo Epson NSX-GT 1

 

GT300

No. マシン WH[kg]
96 K-tunes RC F GT3 20
55 ARTA NSX GT3 17
52 埼玉トヨペットGB マークX MC 11
61 SUBARU BRZ R&D SPORT 8
56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R 6
65 LEON PYRAMID AMG 5
60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 4
4 グッドスマイル 初音ミク AMG 3
34 Modulo KENWOOD NSX GT3 2
88 マネパ ランボルギーニ GT3 1

 

BoP (性能調整)

SUPER GTはエンジン排気量やレイアウト、ボディ形状などが異なる様々な車両が混走するカテゴリーであるため、車両の違いによって有利、不利が発生します。その車両違いによる不公平を解消し、レースがより接戦となるようにBoP(Balance of Performance)というシステムによって車両性能の均一化が図られています。BoPは日本語では『性能調整』という意味になります。

レース開催前になると大会毎にGTAからBoPの対象となる車両と内容が発表されます。BoPの内容は主に以下のようになっています。

  • 最低車両重量
  • エアリストリクター径
  • 最低地上高
  • 最大過給圧

BoPは主にJAF-GTやFIA-GT3など様々な規格の車両があるGT300クラスに対して行われますが、GT500クラスにおいても、ミッドシップエンジンレイアウトのHonda NSXに対して最低車両重量のBoPが行われています。

具体的にはGT500クラスの車両はJAF-GT500という車両統一規則に則って制作する必要がありますが、規則においてはフロントエンジン・リアドライブと規定されてます。Honda NSX-GTは特例としてミッドシップエンジン/リアドライブのレイアウトを認められていますが、ミッドシップエンジン車はフロントエンジン車に対してアドバンテージがあると判断されています。そこでBoPによって、フロントエンジン車の最低車両重量1020kgに対して、Honda NSX-GTの最低車両重量は1049kgに調整されています。

GT300クラスのFIA-GT3車両のBoPは世界的なFIA-GT3車両によるレースシリーズである『BLANCPAIN GT SERIES』を統括するSRO Motor Sports Groupが規定しているBoPを参考にして適用されています。

 

2019 SUPER GT 第3戦 鈴鹿サーキット BoP

 

GT500クラス

対象車種 : HONDA NSX-GT
参加条件 : 競技車両最低重量 : 1049kg
但し、GTAが指定するバラストウェイトを指定位置に搭載しなければならない。

 

GT300クラス

JAF-GT300

車両 最低車重 エアリストリクター BoP重量 備考
TOYOTA PRIUS #30 1250kg 34.5mm x2 +0kg HYBRID重量 : 無し (非搭載)
TOYOTA PRIUS #31 1250kg 34.5mm x2 +0kg HYBRID重量 : +51.0kg
SUBARU BRZ 1150kg None +0kg *過給圧は下表参照 

*最低地上高はスキッドブロック厚10mm(±2mm)、基準面とスキッドブロックの間にスペーサー15mmを装着とする。
*燃料補給装置流量リストクター(内径27.5mm)が適用される。

 

JAF-GT300 マザーシャシー

車両 最低車重 エアリストリクター BoP重量 備考
TOYOTA 86 MC
LOTUS Evora MC
TOYOTA MARK X MC
1100kg 40.00mm x1 28.29mm x2 +50kg  

*最低地上高はスキッドブロック厚10mm(±2mm)、基準面とスキッドブロックの間にスペーサー15mmを装着とする。
*燃料補給装置流量リストクター(内径27.5mm)が適用される。

 

FIA-GT3

車両 最低車重 BoP重量 エアリストリクター 備考
HONDA NSX GT3 EVO 1260kg +40kg None *過給圧は下表参照
Aston Martin AMR Vantage GT3 1285kg +15kg None *過給圧は下表参照
AUDI R8 LMS EVO 1235kg +70kg 40mm x2  
Lamborghini HURACAN GT3 1230kg +75kg 39mm x2  
LEXUS RC F GT3 1300kg +20kg 38mm x2  
McLaren 720S GT3 1205kg +60kg None *過給圧は下表参照
Mercedes-Benz AMG GT GT3 1285kg +45kg 34.5mm x2 Lambda Min 0.93
NISSAN GT-R NISMO GT3 2018 1285kg +30kg None *過給圧は下表参照
NISSAN GT-R NISMO GT3 2015 1290kg +10kg 40mm x2 *過給圧は下表参照
Porsche 991 GT3-R 1225kg +30kg 41.5mm x2  

 

最大過給圧

   JAF-GT300 FIA-GT3
SUBARU BRZ McLaren 720S GT3 Aston Martin AMR Vantage GT3
エンジン回転数[rpm] 過給圧レシオ @Lambda
4000   1.76 @0.88 1.54 @0.91
4250      
4500   1.73 @0.88 1.64 @0.91
4750 4.11 @0.92    
5000 4.04 @0.92 1.70 @0.88 1.73 @0.91
5250 3.85 @0.92    
5500 3.64 @0.92 1.67 @0.88 1.79 @0.91
5750 3.45 @0.92    
6000 3.23 @0.92 1.59 @0.88 1.80 @0.91
6250 3.06 @0.92    
6500 2.93 @0.92 1.54 @0.88 1.80 @0.91
6750 2.85 @0.92   1.78 @0.91
6900      
≥ 7000 2.70 @0.92 1.44 @0.88 1.75 @0.91
≥ 7250 2.53 @0.92    
≥ 7500 2.39 @0.92 1.39 @0.88  
8000   1.32 @0.88  
8100   1.10 @0.88  

 

 

   FIA-GT3
HONDA NSX GT3 NISSAN GT-R NISMO GT3 2018 NISSAN GT-R NISMO GT3 2015
エンジン回転数[rpm] 過給圧レシオ @Lambda
4000 1.83 @0.88 1.94 @0.88 2.02 @0.90
4250      
4500 1.87 @0.88 1.93 @0.88 2.00 @0.90
4750      
5000 1.95 @0.88 1.92 @0.88 1.97 @0.90
5250      
5500 1.99 @0.88 1.89 @0.88 1.94 @0.90
5750      
6000 2.01 @0.88 1.85 @0.88 1.93 @0.90
6250      
6500 2.03 @0.88 1.83 @0.88 1.91 @0.90
6750      
6900   1.80 @0.88  
≥ 7000 2.01 @0.88 1.51 @0.88 1.89 @0.90
≥ 7250      
≥ 7500 1.98 @0.88    
8000      
8100      

 *上記値は過給圧レシオであり、GTAが公示する基準大気圧に上記レシオをかけて最大過給圧が決定される。
*チームは各イベントにおいてGTAが発表する現地大気圧に合わせて過給圧を調整しなければならない。

©GTA

 

 

シード権

シード権とは、トラブルなどで公式予選を走行できなかった場合でも決勝への出場が認められる権利のことです。2017年からSUPER GTの最大エントリー台数は48台とレギュレーションで規定され、決勝への最大出場台数はサーキット毎に42~45台と決められているため、必然的に出場できないチームが発生します。2018年シーズンの年間エントリー台数は44台です。

シード権にはAシード、Bシード、インターナショナルチームがあり、どのシードにも該当しない場合はCグループとなります。AシードとBシードに与えられる特典、Cグループの参加条件についてはGTAより別途公示されます。

Aシード (1):GT500全チーム
(2):GT300 2017年チームポイントランキング18位まで
Bシード (3):GTAおよびGTEが認めたインターナショナルチーム(最大2チーム)
(4):2017年GT300クラスの獲得チームポイントランキング上位から数え、Aシードおよびインターナショナルチームと合算して42台以内となるチーム
Cグループ (5):(1)~(4)以外の既存チーム
(6):新規にGT300クラスにエントリーするチーム

 

 

シード権の影響が発生するのは最大出場台数が43台となる第4戦スポーツランドSUGOと42台の第7戦チャーンインターナショナルサーキットでの2レースとなります。

また、2019年シーズンのAシード/Bシードチームは、8戦中6戦の有効ポイント制で決定されます。

 

ピットロード

SUPER GTにおいてもピットロードの制限速度だけでなくピット作業などの独自の規則があります。

出典:youtube.com

 

ピットロード制限速度

SUPER GTではピットロードの制限速度は50km/h以下です。
sgt_pitroad_speeding

出典:youtube.com

2019 SUPER GT Sporting Regulations - 第26条 一般安全規定

 

ピットエリアでのバックギアは使用禁止

ピットエリアでバックギアを使って自力で後退することは禁止されています。自分のピットエリアを行き過ぎてしまった場合や、ピット内にバックで停車させたい場合などは、ピットクルーの手押しによって後ろに押し進めることができます。

2019 SUPER GT Sporting Regulations - 第26条 一般安全規定

 

ピットクルーは最大7名まで

SUPER GTでは各ピットの前にある作業エリアに出ることが出来るピットクルーは最大7名と規定されています。レース中のピットインでのタイヤ交換や給油といった一連の作業はこの7名で行わなければなりません。(消火要員1名を除く)

2019 SUPER GT Sporting Regulations - 第27条 ピットエリア

 

タイヤ交換

SUPER GTではレース中のピットインのとき、必ずしもタイヤ交換を行う必要はありません。またタイヤ交換をする時も4本全てのタイヤを交換する必要もありません。

ピット作業中に使用できるインパクトレンチが2個に制限されていることから、必然的に同時に2輪のタイヤしか交換できないようになっています。そのため、ピットストップの時間はタイヤ4本交換するよりも2本だけ交換した方が短く済みます。

タイヤ交換作業時、外したタイヤは地面に平置きする必要があります。外したタイヤを立てた状態で置いたり、タイヤが転がったりするとペナルティの対象となります。また、外したタイヤを片付けるときに転がしてはいけません。

 

タイヤ無交換作戦

SUPER GTのタイヤはマルチメイクのためタイヤ開発競争が繰り広げられており、これによりタイヤ無交換作戦を選択するチームが現れることがあります。当然、タイヤ交換をしなければ、長距離のレースをコンスタントに速いラップで周回するのは困難ですが、タイヤのコンディションやタイヤの使い方によっては無交換の方が上位でフィニッシュすることができる場合があります。

出典:youtube.com

 

給油中はドライバー交代以外の作業禁止

SUPER GTでは給油中はドライバー交代以外の作業が禁止されています。タイヤ交換と給油を同時に作業することができないため、燃費の良いマシンほどピット作業時間が短く済むようになっています。

チャーンインターナショナルサーキットで開催された2016年SUPER GT第7戦ではドライバー交代のため車両を降りた直後のジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手が剥がれかかったウィンドウフィルムを見つけ、そのまま剥がしてしまいました。このとき、チームクルーは給油作業中でドライバー交代以外の他の作業をしてはいけない状況だったため、このあとドライブスルーペナルティの裁定が下りました。

出典:youtube.com

2018年のレギュレーション変更にて給油中の窓拭きおよびウィンドウフィルム剥がしの作業が認められることになりました。

 

ピットで車両と停止するときはエンジン停止

SUPER GTではピットエリアに停止したときはエンジンを停止しなければなりません。当然、レース中のピット作業の間もエンジンは停止しなければならず、タイヤ交換や給油作業を終えたあと、ドライバーがエンジンを始動しピットアウトします。

エンジン始動は四輪が接地された状態で行わなければならず、エアジャッキ等でタイヤが浮いた状態でエンジンを始動するとペナルティの対象となります。

 

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