赤旗によるセッション中断

赤旗は大雨などの天候の急変やアクシデントの発生など、安全上の理由で競技の続行が困難と競技長が判断した時に提示されます。他のカテゴリーと同様にSUPER GTにおいてもプラクティスセッション(公式予選等)と決勝で赤旗の運用手順が異なります。

 

フリー走行・公式予選・ウォームアップ走行

フリー走行、公式予選、ウォームアップ走行では赤旗が提示されたら、全ての競技車両は減速して走行し、ピットインしなければなりません。赤旗が提示された後に記録されたラップタイムは無効となります。

タイムアタック中に赤旗が提示され、そのままピットインせずにタイムアタックを継続した場合、そのラップタイムが抹消されるだけでなく、赤旗無視(FIA国際モータースポーツ競技規則付則H項違反)と判定され、ペナルティとなる場合があります。

SUPER GTでは公式予選で赤旗が提示される原因となった車両は、以降のセッションには出走することができません。また当該セッションで記録されたラップタイムは抹消となります。公式予選Q1でコースアウトなどによって赤旗の原因となってしまった車両は、それまでにいくら速いラップタイムを記録していたとしても必然的に予選最後尾となってしまいます。

2018 SUPER GT Sporting Regulations - 第29条 プラクティスセッション(公式予選等)

 

決勝

決勝中に赤旗が提示されたら全ての競技車両は赤旗ラインに進み、GT300クラスがアウト側1列、G500クラスがイン側1列に整列しなければなりません。赤旗が提示された後にピットインすることは認められません。

競技車両が赤旗ライン手前で全車整列した状態で競技は中断となります。赤旗中断中に認められる作業は以下のとおりです。

  • ドライバーの乗降
  • シートベルトの脱着の補助
  • ドライバー無線の装着
  • ドリンクボトル、クールスーツの接続
  • 日除け・雨避けカバーの設置
  • 窓ふき、曇り除去

赤旗提示によってレースが中断されている間も、計時システムは停止せずにカウントを継続し、周回数も記録されます。

レースコントロールではレース再開時刻が協議され、決定され次第、チームに告知されます。

 

赤旗中断からのレース再開の手順

再開5分前

赤旗ラインに整列した車両はトップ車両が先頭に整列しているとは限りませんので、レース再開時間の5分前になったら、GT500クラス、GT300クラスのそれぞれのトップ車両の前にいる周回遅れ車両がオフィシャルの指示によってスタートします。この周回遅れ車両は他車を追い越すことなく1周し、各クラスの最後尾に着きます。

赤旗が提示されたときにピットインしていた車両は、周回遅れ車両がスタートした後にピットアウトすることができ、他車を追い越すことなく1周し各クラスの最後尾に着きます。

再開3分前

全ての作業は禁止され、ドライバー、競技役員以外の人はコース上から退去しなければなりません。

再開1分前

エンジン始動

レース再開時刻になるとグリッド前方でグリーンフラッグが振られ、SC先導によって隊列がスタートします。以降の手順はセーフティカー運用ルールに從い、セーフティカー解除の手順でレースが再スタートされます。

 

赤旗中断のままレース終了

赤旗でレースが中断したまま再開できずに、そのままレースが終了となる場合もあります。
SUPER GTでは、この場合、レースが中断された周回の1周前の順位がレース結果となります。

2018 SUPER GT Sporting Regulations - 第37条 レースの中断およびレースの再開

 

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タイヤ

SUPER GTのタイヤはワンメイクではなく複数のサプライヤーから供給されるマルチメイクとなっています。2016年シーズンはブリヂストン、ミシュラン、ヨコハマ、ダンロップからタイヤが供給されています。

 

ドライタイヤは6セット

各レースで使用できるドライタイヤは6セットです。

公式予選Q1で使用できるタイヤは1セットに限られます。Q2に進出できなかった車両はこのタイヤで決勝をスタートしなければなりません。

公式予選Q2で使用できるタイヤも1セットに限られます。。Q2に進出した車両はこのタイヤ、もしくはQ1で使用したタイヤで決勝をスタートしなければなりません。

 

ウェット宣言

路面がウェット状態のとき、競技長はウェット宣言を行います。ウェット宣言とはウェットタイヤを使用してもいいですよという意味で、WETボードの提示やタイミングモニタなどの表示によってチームに知らされます。ウェット宣言が行われない状態でウェットタイヤを使用すると違反です。

決勝においてはウェット宣言は行われず、ウェットタイヤの使用はチームの判断で行われます。

 

ウエイトハンディ

ドライバーが獲得したポイントに応じて、ウエイトハンディを積載しなければなりません。車両重量は運動性能に直結するため、ウエイトハンディによってSUPER GTでは速いマシンが勝ち続けるのは難しく、常にレース展開は接戦となりレースを面白くします。ウエイトハンディの上限は100kgです。

6戦目まで

  • 獲得ポイント × 2kg

7戦目

  • 獲得ポイント × 1kg

8戦目

  • ウエイトハンディ無し

sgt_weight

 

GT500クラスは燃料流量リストリクターを併用

GT500クラスはウエイトハンディが50kgを超えた場合は下表に従って、車載ウエイトに加えて燃料流量リストリクター径の調整が加えられます。ウエイトハンディに応じて燃料流量リストリクターの径は3段階に調整され、ウエイトハンディの上限は100kg(車載ウエイト50kg、燃料流量リストリクター85.5kg/h)となります。

燃料流量リストリクターによる流量の数値は2018年シーズンに向けて見直しが行われました。

ウエイトハンディ 車載ウエイト 燃料流量リストリクター
0~50kg 0~50kg 95.0kg/h
51~67kg 34~50kg 91.8kg/h
68~84kg 34~50kg 88.6kg/h
85~100kg 35~50kg 85.5kg/h

 

2018年SUPER GT 第8戦 ツインリンクもてぎ ウエイトハンディ

GT500

No. マシン WH[kg]
1 KeePer TOM’S LC500 0
3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R 0
6 WAKO’S 4CR LC500 0
8 ARTA NSX-GT 0
12 カルソニック IMPUL GT-R 0
16 MOTUL MUGEN NSX-GT 0
17 KEIHIN NSX-GT 0
19 WedsSport ADVAN LC500 0
23 MOTUL AUTECH GT-R 0
24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R 0
36 au TOM’S LC500 0
38 ZENT CERUMO LC500 0
39 DENSO KOBELCO SARD LC500 0
64 Epson Modulo NSX-GT 0
100 RAYBRIG NSX-GT 0

 

GT300

No. マシン WH[kg]
0 グッドスマイル 初音ミク AMG 0
2 シンティアム・アップル・ロータス 0
5 マッハ車検 MC86 Y’s distraction 4
7 D’station Porsche 0
9 GULF NAC PORSCHE 911 0
10 GAINER TANAX triple a GT-R 0
11 GAINER TANAX GT-R 0
18 UPGARAGE 86 MC 0
21 Hitotsuyama Audi R8 LMS 0
22 アールキューズ AMG GT3 0
25 HOPPY 86 MC 0
26 TAISAN R8 FUKUSHIMA 2
30 TOYOTA PRIUS apr GT 0
31 TOYOTA PRIUS apr GT 0
34 Modulo KENWOOD NSX GT3 0
35 arto RC F GT3 0
48 植毛 GT-R 0
50 EXE AMG GT3 0
52 埼玉トヨペットGreenBraveマークX MC 0
55 ARTA BMW M6 GT3 0
60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 0
61 SUBARU BRZ R&D SPORT 0
65 LEON CVSTOS AMG 0
87 リーガルフロンティア ランボルギーニGT3 0
88 マネパ ランボルギーニ GT3 0
96 K-tunes RC F GT3 0
117 EIcars BENTLEY 0
360 RUNUP RIVAUX GT-R 0
777 CARGUY ADA NSX GT3 0

 

BoP (性能調整)

SUPER GTはエンジン排気量やレイアウト、ボディ形状などが異なる様々な車両が混走するカテゴリーであるため、車両の違いによって有利、不利が発生します。その車両違いによる不公平を解消し、レースがより接戦となるようにBoP(Balance of Performance)というシステムによって車両性能の均一化が図られています。BoPは日本語では『性能調整』という意味になります。

レース開催前になると大会毎にGTAからBoPの対象となる車両と内容が発表されます。BoPの内容は主に以下のようになっています。

  • 最低車両重量
  • エアリストリクター径
  • 最低地上高
  • 最大過給圧

BoPは主にJAF-GTやFIA-GT3など様々な規格の車両があるGT300クラスに対して行われますが、GT500クラスにおいても、ミッドシップエンジンレイアウトのHonda NSXに対して最低車両重量のBoPが行われています。

具体的にはGT500クラスの車両はJAF-GT500という車両統一規則に則って制作する必要がありますが、規則においてはフロントエンジン・リアドライブと規定されてます。Honda NSXは特例としてミッドシップエンジン/リアドライブのレイアウトを認められていますが、ミッドシップエンジン車はフロントエンジン車に対してアドバンテージがあると判断されています。そこでBoPによって、フロントエンジン車の最低車両重量1020kgに対して、Honda NSXの最低車両重量は1049kgに調整されています。
※2017年SUPER GT第1戦のBoP値

GT300クラスのFIA-GT3車両のBoPは世界的なFIA-GT3車両によるレースシリーズである『BLANCPAIN GT SERIES』を統括するSRO Motor Sports Groupが規定しているBoPを参考にして適用されています。

 

2018 SUPER GT 第8戦 ツインリンクもてぎ BoP

 

GT500クラス

対象車種 : HONDA NSX-GT
参加条件 : 競技車両最低重量 : 1044kg

 

GT300クラス

JAF-GT300

車両 最低車重 エアリストリクター BoP重量 備考
TOYOTA PRIUS #30 1150kg 28.70mm x2 +0kg HYBRID重量 : +51.0kg
TOYOTA PRIUS #31 1150kg 28.70mm x2 +0kg HYBRID重量 : +51.0kg
SUBARU BRZ 1150kg 45.00mm x1 +0kg *過給圧は下表参照 

*最低地上高はスキッドブロック厚10mm(±2mm)、基準面とスキッドブロックの間にスペーサー15mmを装着とする。
*燃料補給装置流量リストクター(内径27.5mm)が適用される。

 

JAF-GT300 マザーシャシー

車両 最低車重 エアリストリクター BoP重量 備考
TOYOTA 86 MC
LOTUS Evora MC
TOYOTA MARK X MC
1100kg 40.00mm x1 28.29mm x2 +50kg  

*最低地上高はスキッドブロック厚10mm(±2mm)、基準面とスキッドブロックの間にスペーサー15mmを装着とする。
*燃料補給装置流量リストクター(内径27.5mm)が適用される。

 

FIA-GT3 : 2018 Specification

車両 最低車重 エアリストリクター BoP重量 備考
NISSAN GT-R NISMO GT3 1285kg None +20kg *過給圧は下表参照
BMW M6 GT3 1290kg None +25kg *過給圧は下表参照
Porsche 991 GT3-R 1225kg 41.5mm x2 +25kg  

 

FIA-GT3 : 2017 Specification

車両 最低車重 エアリストリクター BoP重量 備考
Honda NSX GT3 1240kg None +40kg *過給圧は下表参照
LEXUS RC F GT3 1300kg 38.0mm x2 +30kg  

 

FIA-GT3 : 2016 Specification

車両 最低車重 エアリストリクター BoP重量 備考
Mercedes-Benz AMG GT GT3 1285kg 34.5mm x2 +40kg Lambda 0.93 
Lamborghini HURACAN GT3 1230kg 39.0mm x2 +50kg  
AUDI R8 LMS GT3 1225kg 39.0mm x2 +45kg  
Bentlry Continental GT3 1300kg  38.0mm x2 +10kg *最大過給圧は下表参照  

 

FIA-GT3 : 2015 Specification

車両 最低車重 エアリストリクター BoP重量 備考
NISSAN GT-R NISMO GT3 1290kg 40.0mm x2 +10kg *最大過給圧は下表参照 

 

最大過給圧

   JAF-GT300 FIA-GT3 2018
SUBARU BRZ NISSAN GT-R NISMO GT3
エンジン回転数[rpm] 最大過給圧[barA] @Lambda
4000   1.93 @0.88
4250    
4500   1.92 @0.88
4750 4.11 @0.92  
5000 4.04 @0.92 1.90 @0.88
5250 3.85 @0.92  
5500 3.64 @0.92 1.89 @0.88
5750 3.45 @0.92  
6000 3.23 @0.92 1.85 @0.88
6250 3.06 @0.92  
6500 2.93 @0.92 1.81 @0.88
6750 2.85 @0.92  
6900   1.79 @0.88
≥ 7000 2.70 @0.92 1.51 @0.88
≥ 7250 2.53 @0.92  
≥ 7500 2.39 @0.92  

 

  FIA-GT3 2018 FIA-GT3 2017
  BMW M6 GT3 Honda NSX GT3
エンジン回転数[rpm] 最大過給圧[barA] @Lambda
4000 1.78 @0.92 1.87 @0.85
4250 1.83 @0.92  
4500 1.86 @0.92 1.87 @0.85
4750 1.88 @0.92  
5000 1.93 @0.92 1.98 @0.85
5250 1.93 @0.92  
5500 1.93 @0.92 2.02 @0.85
5750 1.93 @0.92  
6000 1.88 @0.92 2.04 @0.85
6250 1.83 @0.92  
6500 1.73 @0.92 2.06 @0.85
6750 1.66 @0.92  
6900    
≥ 7000 1.65 @0.92 2.04 @0.85
≥ 7250    
≥ 7500   2.00 @0.85

 

  FIA-GT3 2016 FIA-GT3 2015
  Bentley Continental GT3 NISSAN GT-R NISMO GT3
エンジン回転数[rpm] 最大過給圧[barA]
4000 2.00 2.02
4250    
4500 1.90 2.00
4750    
5000 1.82 1.97
5250    
5500 1.76 1.94
5750    
6000 1.72 1.93
6250    
6500 1.63 1.91
6750    
6900    
≥ 7000 1.53 1.89
≥ 7250    
≥ 7500    

*上記値は1010mbarの大気圧に対する絶対圧
*チームは各イベントにおいてGTAが発表する現地大気圧に合わせて過給圧を調整しなければならない。

©GTA

 

シード権

シード権とは、トラブルなどで公式予選を走行できなかった場合でも決勝への出場が認められる権利のことです。2017年からSUPER GTの最大エントリー台数は48台とレギュレーションで規定され、決勝への最大出場台数はサーキット毎に42~45台と決められているため、必然的に出場できないチームが発生します。2018年シーズンの年間エントリー台数は44台です。

シード権にはAシード、Bシード、インターナショナルチームがあり、どのシードにも該当しない場合はCグループとなります。AシードとBシードに与えられる特典、Cグループの参加条件についてはGTAより別途公示されます。

Aシード (1):GT500全チーム
(2):GT300 2017年チームポイントランキング18位まで
Bシード (3):GTAおよびGTEが認めたインターナショナルチーム(最大2チーム)
(4):2017年GT300クラスの獲得チームポイントランキング上位から数え、Aシードおよびインターナショナルチームと合算して42台以内となるチーム
Cグループ (5):(1)~(4)以外の既存チーム
(6):新規にGT300クラスにエントリーするチーム

 

 

シード権の影響が発生するのは最大出場台数が43台となる第4戦スポーツランドSUGOと42台の第7戦チャーンインターナショナルサーキットでの2レースとなります。

また、2019年シーズンのAシード/Bシードチームは、8戦中6戦の有効ポイント制で決定されます。