走行時のルール

 

 

 


 

コース走行時においてもドライバーが守らなければならない様々なルールがあります。例えばコース外を走行することは走路外走行とされペナルティの対象となります。また、ストップしてしまったマシンを手押しで移動させることも禁止されています。

 

 

走路外走行の禁止

走路とはコースの両端に引かれている白線の間を指します。競技車両のタイヤが4本共に走路を外れて走行すると走路外走行と判定されペナルティの対象となります。速いタイムで走行するためには縁石(コース端のゼブラ部分)をうまく使う必要がありますが、縁石は走路と認められていないため、タイヤが一つでも白線内(走路内)に残っている必要があります。

走路外走行によってラップタイムが向上するなどして有利になったと判定された場合はペナルティの対象となります。公式予選では当該ラップのタイムが抹消されるなどの対応がとられます。

海外では走路外走行をトラックリミット(Track Limit)違反と呼びます。

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オーバーランした車両の復帰方法

ブレーキのタイミングを間違えてオーバーランし、走路を外れてしまった場合、安全にコースへ復帰することが求められます。コース復帰時にコース上の他の車両の走行を妨害するとペナルティの対象となります。

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国際モータースポーツ競技規則 付則L項
(2017年1月1日発行版)

第4章 サーキットにおけるドライブ行為の規律
第2条 追い越し、車両のコントロールと走路の範囲

c) ドライバーは常に走路を使用しなければならない。疑義を避けるため、走路端部を定めている白線は走路の一部と見なされるが、縁石は走路の一部とはみなされない。
理由のいかんにかかわらず車両が走路を退去した場合、下記2.d)を侵さずにドライバーは再び合流することができる。しかしながら、その再合流は、それを行うことが安全であり、その実施によって優位に立つことがない場合にのみ実施できる。走路に車両の一部分も接触していない状態であれば、ドライバーは走路を退去したものと判断される。

 

 

追い越し

レース中の追い越しの方法についても規則を守る必要があります。
追い越されようとしている車両は順位を守るために1回だけ進路を変えることが認められています。追い越されないように左右ジグザグに進路を変えることは違反になります。TV中継の解説などで「順位を守るための進路変更は1回まで」と言われますが、これは国際モータースポーツ規則付則L項に規定されている規則のことを指します。

追い越されようとしている車両が順位を守るために進路を変えた後、再びレーシングラインに戻る際には自身とコースの端に少なくとも車両1台分の幅を空けなければなりません。スペースを空ける理由は追い越そうとしている車両の進路を確保するためであり、1台分の幅を空けなければ2回以上の進路変更したとみなされ、ペナルティとなる可能性があります。

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国際モータースポーツ競技規則 付則L項
(2017年1月1日発行版)

第4章 サーキットにおけるドライブ行為の規律
第2条 追い越し、車両のコントロールと走路の範囲

b) 追い越しは、その瞬間の可能性に応じて、左右のいずれの側でも実施することができる。
ドライバーは正当な理由なく故意に走路を外れてはならない。順位を守るために2回以上進行方向を変更することは認められない。
順位を守るためにラインを外れたドライバーがレーシングラインに戻った場合には、コーナーに接近する際に走路の端部と自身の車両の間に少なくとも車両1台分の幅をあけること。
ただし、順位を守るための2回以上の進路変更、走路端を越え故意に車両を寄せること、その他の異常な進路変更を伴うような、他のドライバーを妨害するような行為は厳重に禁止される。上述の反則行為をしたと判断されるドライバーは、大会審査委員会に報告される。

 

 

車両の修理

車両にトラブルが発生したとき、ピットまで戻ることができればピットクルーの作業により車両の修復を行うことが可能です。コース上で車両が停止してしまった場合は、ドライバー自身が車載工具で修理を行う必要があります。第三者に修理を手伝ってもらったり、工具を受け取ったりするのは禁止されています。

通常のレースにおいてはドライバーが車両の修理をコース上で行うことはほとんどありませんが、ルマン24時間耐久レースなどの長丁場のレースにおいてはピットに戻るためにドライバーが修理する場面がよく見られます。

2012年のルマン24時間耐久レースではニッサン・デルタウイングがLMP1クラスのトヨタTS030HYBRIDに接触されウォールにヒットしました。その時デルタウイングをドライブしていた本山哲はピットに戻るために1時間近くに渡ってコース脇でマシンの修復を試みましたが、残念ながらリタイヤとなりました。

 

国際モータースポーツ競技規則 付則L項
(2017年1月1日発行版)

第4章 サーキットにおけるドライブ行為の規律
第3条 レース中に停止した車両

c) 走路で実行される修理は、ドライバー自身により車載されている工具および部品を用いて行うことのみが認められる。

 

 

コース上で車両を押すことは禁止

トラブルなどで止まってしまった車両を手押しで押し進めるのは禁止です。

1984年F1アメリカGPではナイジェルマンセルがチェッカーを受けようと止まってしまったマシンを手押しで押し進めましたが、現在ではこの行為は違反となります。

 

国際モータースポーツ競技規則 付則L項
(2017年1月1日発行版)

第4章 サーキットにおけるドライブ行為の規律
第3条 レース中に停止した車両

f) 走路上で車両を押すことは禁止される。

 

 

車両を停止させるとき

トラブルが発生した車両をやむを得ず、コース上に停止させる場合は、コース外などの安全な位置に速やかに停止させる必要があります。停止させた車両から離れるときはマーシャルが車両回収作業をしやすいようにステアリングを装着した状態でギアをニュートラルにしなければなりません。パーツ破損やオイル漏れの状態で走行を継続すると、オレンジボール旗の対象になります。

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国際モータースポーツ競技規則 付則L項
(2017年1月1日発行版)

第4章 サーキットにおけるドライブ行為の規律
第3条 レース中に停止した車両

a) レース速度を維持することができないという理由で走路を退去する車両のドライバーは、直ちにその退去意志についての合図を行うものとし、かつ、その行動が安全に、また退去地点のできる限り近くで行われるように確保する責任を有するものとする。

 

 

規則

SUPER GTにおいては「ドライバーの遵守事項」として走行時の規則が規定されています。

2017 SUPER GT Sporting Regulations

第18条 ドライバーの遵守事項

1.すべてのプラクティスセッションおよび決勝レース中において、ドライバーは定められた走路のみを使用するものとする。
走路外走行(4輪脱輪)によりアドバンテージが認められた場合にはタイムペナルティ等の罰則が 課せられる場合がある。ここでいうアドバンテージとは公式予選の各セッションにおけるベストラップの樹立、決勝レースにおける順位変動を指す。

2. プラクティスセッション中は、他車の妨害となるようなスロー走行を禁止する。

3. ドライバーが自己の意志に反して、またその他の理由により、やむを得ず競技車両を停止する場合には、当該競技車両をできるだけ速やかに走路から移動して、他の競技車両の支障とならないように配慮しなければならない。ドライバー自身がその競技車両を危険となるような場所から移動できない場合、当該競技車両のエンジンが稼動中であっても、コース委員がこれを援助するものとする。この場合、ドライバー自身で違反なくレースに復帰したときには失格とはならない。

4. コース委員の許可無く、ドライバーが競技中にコースを横断することは禁止される。

5. ドライバーが、コースに沿って競技車両を押したり、または競技車両を押し進めてフィニッシュライン(決勝線)を横切ることは禁止される。

6. ドライバーへの指示は、FIA国際競技規則付則H項に規定された信号によって伝達される。

7. ドライバーは、黄旗掲示区間においては十分に減速してコースの中央寄りに進路変更し、事故現場の通過に備える。また、事故現場の通過に際しては、オフィシャル作業の妨げにならないよう、一列で走行して通過しなければならない。

8. 青旗は、決勝レースにおいては、原則として周回遅れもしくは周回遅れにされようとしている同一クラスの車両に対して提示される。