2024年 F1 第3戦 オーストラリアGP 開催概要

 

『ブルーフラッグ(青旗)』とは?

 

 

ブルーフラッグ『青旗 Blue Flag』は後方から速度の速い車両に追い越されようとしている車両に対して振られます。

決勝においては周回遅れにされようとしている車両に対して振られます。

ブルーフラッグの提示は振動(旗を振る)で行われます。

 

 

レギュレーション

 

国際モータースポーツ競技規則 付則H項

(2021年12月23日発行版)

2.5.5 マーシャルポストで使用される信号

d) 青旗:
これはドライバーに対し、自分が追い越されようとしているということを示すものとして、通常振動表示される。プラクティス中と決勝レース中とで異なる意味を有する。

常時:
ピットを去ろうとしている車両に対し、トラック上に車両が接近している場合、青旗が不動表示される。

プラクティス中 :
より速い車両が後方にいて、追い越そうとしている。

決勝レース中:
通常、ドライバーが後方視界ミラーを十分に活用していないと思われる場合の、周回遅れにされようとしている車両に表示される。この場合、当該ドライバーはなるべく早い機会を捉えて後続の車両を先行させなければならない。

JAF公認競技会における特別措置:
複数のクラスの車両が混走する競技においては、競技長の裁量で、「決勝レース中」でも前述の「プラクティス中」の条文に従った青旗を提示してもよい。この場合オーガナイザーは、当該競技に関連する特別規則書等に明記のうえブリーフィングで徹底することにより、予め競技参加者に青旗の提示方法を明確にしておくこと。

 

国際モータースポーツ競技規則 付則L項

(2021年12月15日発行版)

第4章 サーキットにおけるドライブ行為の規律
第2条 追い越し、車両のコントロールと走路の範囲

a) 走路上に他の車両がない場合には当該走路の幅員の全部を1台の車両が使用することができる。ただし、その車両を追い越そうとする車両によって追い付かれた時に、そのドライバーは、直ちに最初の可能な機会に自分より速いそのドライバーに追い越させなければならない。

追い迫られている車両のドライバーが、そのバックミラーを十分に使用していないと思われる場合には、旗信号委員は、より速いドライバーがその者を追い越そうとしていることを知らせるために、青旗を振動表示する。青旗を無視したと判断されるドライバーは、大会審査委員会に報告される。

 

 

フリー走行および公式予選での運用

ブルーフラッグはドライバーに対して後方から迫ってくる車両の存在を知らせます。

注意喚起を促す目的で振られますが、ブルーフラッグが振られているにも関わらず、不当に妨害したと判断されるとペナルティが科せられる場合があります。

特に公式予選ではタイムアタックをしていない車両がブルーフラッグを振られているにもかかわらずタイムアタック中の車両に進路を譲らずに妨害すると、グリッド降格などのペナルティが科せられる可能性が高いです。

タイムアタック中の遅い車両の後方から速い車両が迫ってきて、遅い車両に対してブルーフラッグが振られたとしても、この遅い車両は意図的に妨害しているわけではありませんので、この場合はペナルティが科せられることはほとんどありません。

通常は遅い車両に追いついてしまう方が悪いと判断されます。そのため、公式予選でのタイムアタックは遅い車両に引っかからないように、タイミングを見極めてコースインをしたり、前方の車両との間隔を空けてタイムアタックを開始するなどの配慮が必要となります。

 

 

決勝での運用

決勝では周回遅れにされようとしている車両に対してブルーフラッグが振られます。

フリー走行や公式予選での運用と異なり、ブルーフラッグを振られたドライバーは後続の車両を先に行かせるなどの対応をしなくてはなりません。

ブルーフラッグが振られているにも関わらず、後続の車両を先行させない場合はペナルティを科せられる場合があります。

F1ではブルーフラッグが振られてから3ポスト区間内で順位を譲らなければならないガイドラインが設定されています。

 

スーパー耐久などのクラス差による速度差の大きな車両が混走しているようなレースにおいては、周回遅れかどうかに関わらず、速い車両が後ろから迫っていて、ドライバーが背後の車両の存在に気づいていないような場合はブルーフラッグを振る場合があります。

 

2021年 F1 第3戦 ポルトガルGP

2021年にアルガルヴェ サーキットで開催されたF1第3戦ポルトガルGPではピットアウトした直後のハースのニキータ・マゼピン選手がターン3でトップを走行していたレッドブルのセルジオ・ペレス選手の進路を塞ぐような形となりました。

ペレス選手は接触をさけるため、タイヤをロックするハードなブレーキングを強いられました。スチュワードはこの行為をブルーフラッグ無視と判定し、マゼピン選手に5秒間のタイムペナルティが科せられました。

 

 

ピットロード出口での運用

メインストレートを走行している車両とピットアウトする車両が交錯しそうな場合には、ピットロード出口付近でピットアウトする車両に対して、後方を注意してコースインするようにとの意味でブルーフラッグが提示されます。

この場合、ブルーフラッグは振るのではなく、不動(静止)で提示されます。

ピットアウト車両がメインストレートを走行する車両に対して、強引にブロックするようなラインでコースインをして、進路を妨害したと判断されるとペナルティが科せられる場合があります。

 

出典:youtube.com

 

青旗を振るのが一番難しい

コースマーシャルの間ではブルーフラッグを振るのが最も難しいとされています。

ドライバーの視線は常に進行方向のずっと先を見ているため、ドライバーがブルーフラッグを確認できるようにするためにはオブザベーションポストの前を通過するよりもずっと前にブルーフラッグを振っていなければなりません。

そのため、公式予選ではタイムアタック中の車両とそうでない車両の位置関係、決勝では周回遅れ車両とそうでない車両の位置関係を常に把握しておく必要があり、さらに前後の車間や速度差を一瞬で判断して振る必要があります。

 

 

フラッグの意味

赤旗
黄旗

オイル旗

青旗

白旗

緑旗

黒白旗

オレンジディスク

黒旗

チェッカー

国旗